「(中継の)準備期間も含めて、もう一両日中には結論を出さないといけない時期に来ているのですが、NHK側の動きがあまりにも遅い。暗に秋場所も中継中止を継続しようとしているのでは? 業を煮やした協会幹部がNHKに出向いて説明にいったほどです」とは角界に近い筋の話だ。不祥事以前まで長く続いた相撲協会とNHKの蜜月関係はどうなったのか。
トリガー(引き金)はあった。改革を目指して協会入りした伊藤滋外部理事(79)が、先月発売の月刊誌「文芸春秋」において、NHKが支払う本場所放映権料は年間30億円であることを暴露してしまったのだ。
「年6場所ですから、ひと場所5億円。高いか安いかは別として、金額を公表しない契約になっていたので当然NHK側はカンカンですよ。もう中継はヤメだと言い出す幹部までいたとウワサされています」(テレビ関係者)
それが原因なのか、NHK福地茂雄会長(76)が、表向きは多忙を理由に横綱審議委員を辞任する事態にまで発展している。
もともと、NHK側も中継中止は先の名古屋場所1回限りと考えていたようだ。中止を決定した際には「なんとか中継して」「お年寄りの楽しみを奪わないで」という抗議電話が局に殺到したという。それでも中止にしたのは、不祥事の重さを鑑みて、一度、協会に「ミソギ」をさせる意味もあったのだろう。しかし、ここへ来てNHKが協会への不信感を募らせてしまったのだ。
「角界はいま、改革とはほど遠い足の引っ張り合いです。また、まだまだスキャンダルが出てこないとも限らない。一度崩壊した蜜月関係を元に戻すのはたいへんなことですからね。二の足を踏むNHKは、ひょっとすると年内いっぱいは中継をやらないなんて決定をするかもしれません」(テレビ関係者)
相撲ファンにはがっかりな結末にならないことを願うばかりだ。