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元大関・琴欧洲が引退 日本国籍取得遅れ醜態さらす

 大相撲春場所12日目の3月20日、元大関で西関脇のブルガリア出身・琴欧洲(31=佐渡ケ嶽)が日本相撲協会に引退届を提出した。

 大関から陥落し、先の初場所(1月=両国)で復帰を懸けた琴欧洲は、8勝7敗で、条件の10勝以上を挙げられず、大関復帰はならず。今場所は関脇にとどまったが、2日目から9連敗。古傷の左肩を痛めたとして、11日目から休場した。肩、ヒザ、ヒジに故障を抱え、まさに満身創いだった。

 最後の一番となった10日目の横綱・白鵬戦の後に、師匠である佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)に「気力がないです。悔いはないです」と引退を申し出たという。

 会見で「若いときに一緒に上がって、巡業で毎日のように稽古した。最後に白鵬関と取ることがうれしかった」と話した琴欧洲。白鵬戦では相手の顔を見ることもできず、敗れた後、「終わりがきたと感じた」と言うと号泣した。

 琴欧洲は02年九州場所で初土俵。所要11場所で新入幕を果たすと、年6場所以降では史上最速(幕下付け出し除く)所要19場所で、大関にスピード出世。08年夏場所で初優勝を果たしたが、ケガが多く、大関では満足な成績を収められなかった。大関在位は47場所で史上4位だが、そのうち、2ケタ勝利を挙げたのは、わずか14場所。通算成績は537勝337敗64休。

 佐渡ヶ嶽親方は「ケガが治れば、まだ取れると思った。でも本人が、もう気力がありませんと言った。いつかこういうときが来るとは思っていたけど、早かった気がする」とコメント。北の湖理事長(元横綱)は「限界を感じたのだろう。大関に上がるときが最も良く、横綱を射止めると思っただけに残念。ヒザのケガが響いた。それでも、なかなか8年近くも大関は務まらない」と労をねぎらった。

 「日本に来て、相撲取りになって本当に良かった。相撲は自分の人生です。今までも、これからも」と語った琴欧州は、今年1月、日本国籍(日本名=安藤カロヤン)を取得し、親方になる資格を得た。年寄名跡は取得していないが、大関経験者はしこ名で3年間、年寄として協会に残ることができる。今後は佐渡ヶ嶽部屋の部屋付き親方として後進の指導にあたり、その間に年寄名跡の取得を目指す。

 日本国籍を取得するべく準備を始めてから、1年以上の月日を要した。帰化があと2カ月早ければ、大関から陥落してまで相撲を取る必要はなく、醜態をさらすこともなかったのだが…。なんとも、そこが惜しまれるところだ。
(落合一郎)

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