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怪談作家・呪淋陀(じゅりんだ)の「魅惑のホラーグルメ:その1・蛇料理を喰らう」

 皆様、吹く風も冷たく感じられる今日この頃となりました。
 いよいよ食欲の秋到来ですね。
 私、怪談作家:呪淋陀が皆様に身の毛もよだつ美味しいホラーグルメをご案内いたします。

 今回ご紹介するのは、群馬県のジャパンスネークセンター内にある蛇料理専門レストラン。
 マムシ入りのスタミナラーメン、ミートボール、唐揚げ、マムシのフルコースまで、いろいろな蛇メニューがあります。
 値段設定は全体的に高め。食材の希少性と料理の手間から考えると、この値段は仕方ないかもしれません。
 興味があった『マムシフルコース』は要予約だったので、『マムシ姿焼』(松4000円、竹5000円、梅6000円)の内、一番値段の安い松を注文。

 早速、これから捌かれる運命にあるマムシが目の前に運ばれました。
 首を掴まれて大きく口を開けたマムシ。
 剥き出しの牙から毒液が勢いよく吐き出され、グラスに滴たりました。
 マムシの毒は、血液に入ると危ないのだが、口から飲む分にはビタミンのような味で美味しく栄養が豊富なんだとか…。ただし、虫歯があったり口の中に傷があったり、胃に潰瘍や内臓に出血がみられる場合は、飲んではいけないそうです。ということで、安全を考えると飲まないことですね。

 その後、マムシはクリップで体を挟まれ、刃物で首をぶった切られました。血がどくどく噴出。
 そしてあっという間に全身の皮をずるりと剥がされたのでした。

 食前酒に、搾り取られたばかりの新鮮な生き血をワインで割ったものが出されました。
 凄く血の香りがします。
 私がちびりちびりと飲んでいると、レストランの女将さんに一気に飲み干すようにとご指導を受けました。
 ためらいながらも意を決して生き血の一気飲み。もちろん底に沈んでいた心臓もごっくんと丸呑みしましたよ。
 うう、喉の奥から込み上がる蛇と血の生臭さ。とってもワイルドな味でした。

 待つこと十数分後。出来あがったマムシの姿焼4000円也。
 流離のグルメリポーターR氏によると、砂糖と醤油の蒲焼き風タレ味、食感は小骨が多くてさっぱりしていて言われなければ蛇とはわからない。という感想。
 私は小骨が多い魚? といった感じで、普通に美味しく食べられました。
 この時、同行の寡黙なM氏だけは、なぜか何も食べずに、蛇料理を食べる様子をただ見守っていたのでした…。
(続く)

(怪談作家 呪淋陀(じゅりんだ)山口敏太郎事務所)

参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou

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