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漫画は博打『週刊少年ジャンプ』がキャッチフレーズグランプリ発表

 12日発売の『週刊少年ジャンプ』41号で「キャッチフレーズグランプリ2011」が発表された。これは連載漫画のキャッチフレーズを読者から募集した企画で、『バクマン。』のキャッチフレーズ「今のオレ達『博打打ち』未来のオレ達『ジャンプ1』」がグランプリに輝いた。

 『バクマン。』は大場つぐみ作・小畑健画で、漫画家を主人公とした作品である。読者アンケートの結果に一喜一憂し、人気低迷による打ち切りなど漫画界のシビアな現実も描く。主人公の一人・真城最高の叔父・川口たろうも漫画家であったが、作品がアニメ化されたものの、その後はヒット作に恵まれず、原稿執筆の過労で死去したという壮絶なエピソードがある。

 そのような浮き沈みの激しい漫画家生活を「博打打ち」という言葉が表現している。作中でも川口たろうが自らを「博打打ち」と称している。現在の状態と将来の目標を盛り込むことで魅力的なキャッチフレーズになった。

 他の連載作品の中で最も優れた作品が準グランプリになっている。久保帯人『BLEACH-ブリーチ-』のキャッチフレーズ準グランプリは「剣華上等」である。『BLEACH』では「一護剣斬!!!」というキャッチフレーズが2004年のグランプリになった。「見参」という言葉を作品のイメージに合わせて「剣斬」に置き換えた。今回も「喧嘩上等」という言葉を「剣華」に置き換えた形である。

 岸本斉史『NARUTO-ナルト-』のキャッチフレーズ準グランプリは「食ったら練る!」である。作中では「チャクラを練る」という表現が使われており、「寝る」と「練る」をかけている。他にも空知英秋『銀魂』が「いざって時、銀時。」とシャレになっている。これは「時」と主人公の名前「銀時」をかけ、意味的にも何でも屋をしている主人公に合っている。

 グランプリ作品1本と準グランプリ作品21本は漫画家により、キャッチフレーズに合わせたポスターが描かれる。注目は看板漫画の尾田栄一郎『ONE PIECE』である。キャッチフレーズは「おれ達、海賊世代!」と意外にも地味であったが、ポスターでは主人公のルフィと共に超新星の海賊達が登場する。現在連載中の魚人島編では出番のない超新星の2年後の姿が描かれており、将来の本編への再登場も期待される。

 募集当時の連載作品を対象としたために現時点では連載が終了している作品のキャッチフレーズも準グランプリとして紹介した。『戦国ARMORS』『保健室の死神』『DOIS SOL』『メルヘン王子グリム』と複数の終了作品が存在した。このうち、『保健室の死神』以外の作品は2011年内に連載が始まり、終了した短期打ち切り作品である。グランプリ自体がグランプリに輝いたキャッチフレーズ「博打打ち」を象徴する存在となっている。

(林田力)

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