『王貞治ベースボールミュージアム』はソフトバンクの監督退任後も同球団の会長職を務めている王会長の現役時代と、監督時代の功績を称えて2010年、ドーム内に開館。別途入場料はかかるものの、開館当初は入口で当時ソフトバンクが普及に努めていたiPhoneを貸し出し、iPhoneとリンクする形で館内を回るなど画期的な記念館だった。その後、幾度かのリニューアルを重ねて、読売巨人軍や日本テレビ、早稲田実業、莫大な資料を持つ各マスコミなども協力し、東京ドームにあってもおかしくないぐらいの王会長の歴史の全てが詰まった立派なミュージアムへと発展していった。
外野スタンド上に設置されていることから、ガラス越しではあるが、開場前に外野で練習する投手陣を見ることができる。また、試合後には『鷹の祭典』の豪華な演出を見ることも可能だった。さらに、同ミュージアムでは、幼少期の写真や当時使っていた野球道具をコメントや映像などとともに展示するスペースがあり、反対側のスペースには、150キロのピッチングマシンを間近に見られたり、ピッチングのスピードガン、バッティングのスイングスピードの計測器、シャドーピッチングをして三振を奪えば記念写真をQRコードでダウンロードできるヤフオクドームにしかないゲームが置かれており、大人も子どもも楽しめるファン参加型のちょっとしたアトラクションコーナーになっている。
関係者は「王貞治ベースボールミュージアムは今年で閉館になってしまいますが、早ければ来年にもドームの外周にできるビルの中で、さらにグレードアップしたものになりますので、楽しみにしててください」と語る一方で、跡地に関しては「客席の増設と、グッズショップなどが入る予定」だという。ソフトバンクはヤフオクドームの大改修と、周辺施設の再開発を2020年までに行うと発表しており、ヤフオクドームの敷地内には建設中の建物が見られる。2020年は現在大改修工事を行っている福岡国際空港もリニューアルオープンする予定。東京オリンピックに合わせて福岡の街はさらなる進化を遂げることになりそうだ。
取材・文・写真 / どら増田