同社は昨年日本市場に本格参入し、齋藤太吾選手とのタッグでD1グランプリ(全日本プロドリフト選手権)に初参戦。「WANLI FAT FIVE RACING」として7戦中5勝を挙げて2016シリーズを優勝するなど参入一年目として最高のスタートダッシュを決めた。
この日は2017シリーズ連覇へ向け、今年参戦用の新車両のコルベットと新タイヤ「SR390」をお披露目。登壇した頼燕山(ライ ヤンシャン)代表は「日本は大きな自動車マーケット。グローバル市場の中でも重要なマーケットとして認識しています」とコメントすると、昨年のD1シリーズ優勝について「日本へ参入する大きな足がかりとなった」と成果を強調。
「厳しい品質管理など、日本の自動車業界のプロフェッショナル精神をかねてから学んできた。日本はWANLIのグローバル戦略の足がかり。世界へ羽ばたく絶好の舞台」と話すと「今後日本でのタイヤ市場を開拓し、高い技術力を誇る、競争の激しいこの国でシェアの一角を占めたい」と意気込んだ。
また、イベント終盤には齋藤太吾選手も登壇。「良い成績が収められて非常にいい一年でした。D1グランプリ7戦5勝という成績でもわかる通り、圧倒的グリップ力」と同社のタイヤを絶賛。「今年もD1シリーズで優勝したい」と笑顔を見せた。
新タイヤ「SR390」はドライ、ウェットの路面でも力を発揮できるよう、タイヤが左右非対称のデザインになっているところが特徴。進行方向の内側には三本の縦溝を入れウェットの路面でもしっかりとした排水性が保てるような加工がされ、外側は強力なグリップ力が確保できるよう様々な工夫がされている。
同社マーケティング担当の劉子欣(リュウ・ズーシン)氏は「D1参戦を通じて実績を挙げていくことで日本の皆さんにWANLIの性能、品質を示すことができます。販売の新たな販路も開拓しましたので日本のより多くの消費者にWANLIタイヤが届くようにしていきます」とコメント。
アメリカで新大統領にドナルド・トランプ氏が就任し、中国とアメリカの間での貿易摩擦の拡大が予想されるなど、中国メーカーにとっては試練の一年となるかもしれない2017年だが、これに関しても「会社としてはグローバル化を進める中、アメリカでも工場を建てる予定」と雇用拡大を目指すトランプ氏に協調の姿勢。前向きな姿勢で新大統領の動向を見守っている様子だった。
(取材・文:名鹿祥史)