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メジャースカウトが日ハム・清宮を無視!最も印象に残ったのはあの新入団選手

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清宮幸太郎

 メジャースカウトの視線を集めたのは、清宮ではなく、台湾の英雄・王柏融(ワン・ボーロン/25)だった。

 米アリゾナ州でキャンプを張る北海道日本ハムファイターズが対外試合に臨んだ(2月11日/現地時間)。初回、一死一塁の場面で王に打席が回り、いきなり結果を出した。右中間フェンス手前まで飛ぶ大飛球。その打球の速さに対戦相手の韓国・NSダイノスのベンチからも驚く声が漏れたほどだ。

 「日ハムからすれば、対戦相手は格下のチームということになります。でも、結果を出したことに変わりはありません。王は実戦向きの選手のようです」(特派記者)

 王は台湾プロ野球・ラミゴからやってきた。一昨年まで2年連続で打率4割超えを果たし、日本からも複数球団が視察を続けていた。しかし、実際に獲得に名乗りを上げたのは、日本ハムだけ。17年よりも打撃成績が落ちていたからだ。

 日本ハムの選択は正しかったようだ。この試合にはメジャーリーグ数球団のスカウトが視察に訪れたが、「最も印象に残った選手」として、王を挙げていた。

 「メジャースカウトは日本球界の事情を知りません。清宮幸太郎のメジャー志望は知っていますが、先入観ナシで見て、現時点で清宮よりも王のほうを評価していました」(前出・同)

 単にパワーのあるところを見せつけただけではなかった。栗山英樹監督が感心したのは、“日本球界向き”だということ。右中間を割った大飛球は変化球をすくい上げたもので、同9日の紅白戦では直球をレフト方向に流し、四球も選んでいる。

 力任せにバットを振るのではなく、流し打ちもできる。四球を選んだ点からして、選球眼も高いことがうかがえる。

 「王は、メジャー志望はないと聞いています。台湾時代、『海外の野球に興味がある』と口にしていましたが、それは日本のことを指していました。台湾は学生野球も盛んですが、王は高校時代は無名で、大学で急成長したクチです。遠回りをした分、現実的な選択をするようになったのでしょう」(台湾球界を知る関係者)

 右投げ左打ちのスラッガー。タイプは清宮幸太郎とかぶる。清宮は自主トレ期間中に右手首を痛めたため、アリゾナでは急ピッチの調整が続いているという。

 守備位置の話をすれば、一塁には中田翔がいて、指名打者の筆頭候補は近藤とされている。外野手枠に王が加わったとなれば、レギュラー確保はさらに厳しいものとなるだろう。自主トレでの出遅れも気になるが、今回、視察に訪れたメジャースカウトたちは清宮にさほど興味を示さなかったそうだ。メジャー志望のない王が注目されたのは皮肉としか言いようがないが、清宮は猛アピールを続けていかなければ、今季も一軍と二軍を行き来することになるだろう。
(スポーツライター・飯山満)

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