「解散のあとに待ち受けているのは生き地獄。選挙戦ではほとんどの自民党議員が苦戦を強いられ、その多くが永田町には戻ってこられないだろう。政治家は解散すればただの人。居場所を失う“ホームレス議員”が続出するから“ホームレス議員解散”だ」(永田町関係者)
お笑いコンビ「麒麟」の田村裕氏が書いた自叙伝「ホームレス中学生」では、父親が家族に「解散!」と宣言するシーンが有名。いまの自民党議員は、麻生首相の解散に対してもそれに近い無責任さを感じているはずだと指摘する。
パロディストのマッド・アマノさんは、「空気読めない」のKYではなく「KY(漢字読めない)首相」の「KY(解散時期読めなかった)解散」と名付けた。これまでも解散のタイミングが何回かあったが、「サミットに出たいとか、ぐずぐずしている間に時機を逸した」と、首相の決断力のなさを指摘する。
「自民党解散」と表現したのはコント集団「ザ・ニュースペーパー」で麻生首相を演じる福本ヒデさん。首相の最大の敵は党内の批判勢力で、選挙をきっかけに党は分裂すると予想する。「一番笑いのネタになるサプライズは、選挙後も麻生さんが首相を続けていること」と付け加えた。
マーケティングコンサルタントの西川りゅうじんさんは地方選挙で連敗後の決断を「ノックアウト解散」と命名。自民にプラスの要素はほとんど見当たらず、このままでは衆院選もあっさり敗北してしまう可能性もあるとみる。
「まゆつば、手につば解散」と名付けたのは戯作者の松崎菊也さん。解散を先送りしてきた自民の身勝手さに「だまされないぞ」と「まゆつば」。有権者は「この野郎。一丁、投票してやろう」と「手につば」を付けて待ち構えていると説明した。
これまでも、「自爆解散」「バカタロー解散」などとひどい言われようだった。いずれにせよ、ろくでもないタイミングでの解散であるとの認識では一致しているといっていい。
政府は21日の臨時閣議で総選挙日程を「8月18日公示〜30日投開票」と決定。自民、公明両党連立の継続か、民主党を中心とした連立政権への転換か、真夏の政治決戦がスタートした。衆院選は郵政民営化を訴えた小泉純一郎首相の下で自民党が圧勝した2005年9月の郵政選挙以来約4年ぶり。8月に行うのは戦後初めてとなる。