まだ、キャリアの浅い芳根京子(よしね・きょうこ=18)が主演を務める「表参道高校合唱部!」がそれだ。同ドラマは、香川から表参道高校に転校してきた合唱大好き少女の香川真琴(芳根)が、廃部寸前の同校合唱部を建て直すべく立ち上がり、同級生たちを合唱に巻き込んで、本当に輝ける場所を見つけていくという青春ストーリー。
同ドラマでは、主人公を含め、高校生役のメインキャストをオーディションで選抜。他の出演者は、志尊淳、吉本実憂、森川葵、堀井新太、高杉真宙、萩原みのり、泉澤祐希らの新進気鋭の若手俳優陣だ。脇を固めるのは、合唱部顧問ながら、ヤル気がなく趣味はキャバクラ通いというダメ音楽教師・鈴木有明役の城田優。
主演の芳根は13年4月期の連ドラ「ラスト・シンデレラ」(篠原涼子主演)でデビュー。同年8月公開の映画「物置のピアノ」では主演を務めた。昨年放送されたNHK連続テレビ小説「花子とアン」(吉高由里子主演)で、主人公の花子(吉高)の親友・蓮子(仲間由紀恵)の娘・富士子役を演じ注目を集めた。
その後、「幕が上がる」の映画、舞台に起用され、今年公開予定の映画「向日葵の丘・1983年夏」「先輩の彼女」への出演も決まっている。また、7月期にはフジテレビ木曜午後10時枠の連ドラ「探偵の探偵」(北川景子主演)へも出演し、同じクールで、主役と脇役をこなすことになる。まだ、知名度は高くはないが、今、注目の若手女優だ。
とはいえ、深夜ドラマなら、話も分かるが、プライム帯だ。一般的に広く顔が知られているのは、現在キムタクドラマ「アイムホーム」に出演中の吉本と、朝ドラ「マッサン」、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」に出演の堀井くらいなもの。主役以下、メインキャストが知名度不足の若手ばかりで、果たして視聴率が獲れるのか疑問が残る。
今クール放送中の同枠「アルジャーノンに花束を」(山下智久主演)は、初回こそ11.5%(数字は以下、すべて関東地区)をマークしたが、第2話で1ケタ台に転落。第5話で10.8%と盛り返したが、第6話〜第8話は6〜7%台と苦戦している。
「表参道高校合唱部!」は、その後枠となるだけに、2ケタ台は獲りたいところ。朝ドラでは、主役をオーディションで決めるのはよくあることだが、なんせ民放のプライム帯だ。TBSの冒険は実るのか?
(坂本太郎)