写真週刊誌「FRYDAY」の5月18日発売号で、福岡・中洲のクラブホステスとの女性問題を報じられた西武の“守護神” 涌井秀章投手(25)は、球団方針で22日、1軍の出場選手登録を抹消された。「1軍で試合を続けながらではなく、一度考える時間と場所を持ってもらうという趣旨で決めました」(飯田則昭専務)との理由で、復帰時期は未定。
フロント主導で決まった涌井の2軍降格だが、抑えのエースがいなくなると、困るのは現場だ。涌井に代わる人材がいればいいのだが、どこをどう探してもいないのだ。
元々、今季は新外国人のエンリケ・ゴンザレス投手(29)をクローザーとして、開幕を迎えたが、あまりのひどさに2軍降格。代わりに抑えに指名されたのが、エースとして期待されながら不振で2軍落ちしていた涌井だった。
1軍復帰後、リリーフに転向した涌井は2セーブを挙げ、ようやく、西武に“勝ちパターン”が確立した。そんな折りに、報じられてしまったのが、今回の女性問題。渡辺監督は急場しのぎで、ランディ・ウィリアムス投手(36)を抑えに抜てき。涌井に代わって、1軍に昇格したのは抑え失格の烙印を押されたゴンザレスと長田秀一郎投手(32)。
涌井の登録抹消後、22、23日の巨人戦は負け試合。25、26日のヤクルト戦は大勝で抑えの必要性はなかったが、真価が問われたのが27日の阪神戦(甲子園球場)。
この試合は先発・平野将光投手(28)が、6回1失点の好投で、西武が2-1のリード。7回から継投に入ったが、2番手の長田がクレイグ・ブラゼル内野手(32)に本塁打を被弾し同点。8回に登板のゴンザレスは1死満塁のピンチを、なんとか併殺打でしのいで、0点に抑えた。しかし、9回も続投したゴンザレスは依然乱調で、再び一死満塁のピンチをつくって、暫定守護神のウイリアムスに交代。ところが、代打・関本賢太郎内野手(33)に押し出し死球を与えて、2-3でサヨナラ負けを喫した。
渡辺監督は「しっかり(後ろが)抑えるところは抑えないと、こういうゲームは勝てない」と、だらしない救援陣に苦言を呈した。
このままでは、西武は勝ちパターンの試合でも、救援陣が抑えられずに、なかなか勝てないであろうことが目に見えている。チームはパ・リーグ最下位を独走中。渡辺監督にしてみれば、「涌井さえいれば…」と口にしたくもなりそうなところ。涌井の女性問題は、チームにも大きな影響を与えてしまった。
(落合一郎)