團十郎さんは昨年12月中旬、風邪による体調不良のため、京都・南座の舞台を途中で降板。その後、肺炎の兆候が見られたため、都内の病院で入院治療を行い4月に開場する東京・銀座の歌舞伎座のこけら落とし公演への出演に向け療養を続けていた。
各メディアの報道をまとめると、團十郎さんはほんの数日前までは意識もハッキリしていたが04年に患った急性前骨髄球性白血病のため、免疫力が弱まっていたこともあり、病状が急変しそのまま帰らぬ人となった。最期は長男で歌舞伎俳優の市川海老蔵ら家族がみとったという。
海老蔵は4日早朝、團十郎さんの自宅前で会見。現在、フリーアナウンサーの麻央夫人は第2子の長男を妊娠中で来月出産予定。團十郎さんは待望の跡継ぎが生まれることを楽しみにしていたそうで、海老蔵は「男の子なんで、父が一番喜んでたんです。舞台も一緒に出たかったし、抱きたかっただろうに…」と無念そうに唇をかんだ。これまで隠し子騒動や派手な女性関係、さらには暴行事件に巻き込まれるなど團十郎さんに迷惑をかけてきた海老蔵だが、「僕は本名に親孝行の孝の字がついているんですけど、全然親孝行ができなかった。歌舞伎の方で親孝行できれば」と寂しげな表情をみせた。
歌舞伎界は、昨年12月に中村勘三郎さんが57歳の若さで死去。團十郎さんの死で、新生・歌舞伎座の開場を前に、大きな柱を2本失ってしまったが、あまりにもショックが大きいようだ。
「勘三郎さんと團十郎さんは圧倒的な集客力で、新生・歌舞伎座の“顔”になるはずだった。昨年、公演中に大けがを負った市川染五郎の復帰公演である二月大歌舞伎はまだ半分ほど空席。今後、新生・歌舞伎座を運営する松竹は以前の歌舞伎座で1万5000円程度だった1等席を2万円に値上げするなど、チケット代を値上げして公演回数を増やすようだが、客の呼べる役者がいなければその目論見も空振りに終わりそう」(演劇関係者)
海老蔵は父親の分も客を呼んで親孝行できるだろうか?