「ワイドショーを賑わしたこの一件をきっかけに、自分も霊感占い師になろうとする人が増えている」(ライターA氏)
興味深い噂には違いないが、そもそも霊感占い師などに、誰でもなることが出来るのだろうか。
「以前から、ネットでは“占い師養成学校”みたいなものが乱立していました。中でも、最近、霊感占い師を養成するマニュアルみたいなものが固まってきたので、それ(注…詐欺業者)に騙される人が増えているようなんです」(同)
一例として、具体的な事情は以下。
「『霊感は誰にでもあるし、それを育てることが出来る』、と霊感占い師養成講座の希望者を説得し、数十万円の受講料を払わせます。しかし、マンションの一室に受講生たちを集めて実際にそこで教えることは、霊感を開花させる?レッスンもあるにはあるが、主にカウンセリングの技術ばかりなのです。例えば、客で派手な女の人が来たら、『恋愛の悩みですね?』といえば、大体当たる、とか…。そこで客が腕組みをしていぶかしい表情を見せたら外れているので、『仕事の悩みですね』といえば、ほぼ当たっている。悩みなんてそれがほとんどですから。後は、客が相談時間中、誰にも話せなかった悩みを節々と打ち明けるのを黙って聞いてあげて、最後に適当なことを言えばいい。そうすれば、当たるも当たらぬもありませんし、へんに踏み込んで発言するよりはお客に疑われたりすることもありませんからね(笑)」(同)
まさに、コンサル業務の技術を教え込んで、お茶を濁すのだそうだ。そういわれてみれば、テレビに出てくる占い師などにも、こういう人は少なくない気がするが…。
そして、受講生たちはプロデビューと相成る。
「こういった“学校”は、『卒業後は必ず仕事を振ります。それで受講料の元を取ってください』、などと最初に受講生に約束をしているので、結局騙されてしまうのです。プロデビューも、現実には、その学校で用意したサクラの相談者をつかって卒業生の電話相談や対面相談の客にさせ、『当たってないですよ、最低』などとサクラ客にクレームを入れさせる。すると、気の弱い受講生は、何とか一流の霊感占い師になって受講料の元をとろうと、さらに騙される、というわけ。このような業態にもかかわらず、楽して手っ取り早く大金を稼げるのではないか、とイメージが先行して、霊感占い師希望者が、裏で俄かに増えている動きがある」(同)
なお、以上はあくまで、詐欺まがい業者の一例であるに過ぎない、ということを付記しておきたい。
最後に、人気占い師で占いサイト管理者のB氏は、霊感占いについてこう話す。
「我々も、例えば霊感診断でお客に悪い結果が出たからといって、その方がカルマを背負っているか、とかそこまでは見えません。しかし、いい占い師なら、真剣に相談してくる客がいれば、誰にでも親身な姿勢になれるはずですし、そこからいい関係が築けることもある。30代、40代の金を持ってそうな占い好きのオバサン客を常に物色しているような占い師が仮にいたとして、それはまさに本末転倒ではないでしょうか」
裏の世界? では、静かに霊感や超能力を持った占い師ブームが続いていくのだろうか。