8月29日の広島戦、地上波・日本テレビ系列でのプロ野球中継が決まった。しかも、解説は前任監督の高橋由伸氏と、“次期監督候補”とされる松井秀喜氏。巨人ファンでなくても、2人が原采配をどう見ているのか、是非とも聞いてみたいところだ。しかし、同日の巨人はベストメンバーで戦えない可能性も高いという。
「29日の先発は桜井俊貴(25)で決まりました。桜井は高橋前監督が指揮官に就任した最初の年に選手生活をスタートさせた投手です。怪我などもあり、高橋監督の時代は戦力になれなかったので、桜井もやってやろうという思いでいるはず」(スポーツ紙記者)
同日は苦手・広島との3連戦の最終日。しかも、巨人は日程の関係で先発ローテーションに一抹の不安を抱えているのだ。
「24日先発は高橋優貴、25日は山口俊が先発しました。安定している山口、勢いのある高橋はローテーションの日程上、広島3連戦で使えません。かといって、今の巨人は先発投手が不足しているので、高橋、山口に中6日の十分な間隔を与えられません。2人は『中5日』で広島3連戦の次の阪神戦で投げさせる予定」(前出・同)
広島3連戦の初戦(27日)はメルセデスと発表された。順当に行けば、翌28日は菅野。桜井を加えた3人で勝ち越しを決めたいところだが、桜井の前に1人がコケて1勝1敗となっていた場合、桜井に余計なプレッシャーを与えることになる(同時点)。
また、こんな情報も聞かれた。
「広島戦の次の阪神3連戦なんですが、高橋が30日、山口が31日に先発すると、9月1日の先発投手がいないんです。今村を二軍から昇格させて先発させるか、メルセデスを中4日で投げさせるかのいずれかです。今村を投げさせると思われますが、早めの交代となりそうなので、リリーフ陣は総動員となりそう。そういった阪神戦の状況を考えると、広島3連戦ではリリーフ投手を休ませておかないと…」(ベテラン記者)
原采配の長所は、選手起用にある。「勝負どころ」と読んだ場面では代打を送り、また、投手交代でも「ヤバイ」と思った場面ではクローザーの中川を早いイニングで投入し、最後の9回は別投手で逃げ切るといった変則継投策も行う。24日のDeNA戦では延長11回、「カウント2ボール0ストライク」という打席の途中で石川を代打起用し、サヨナラ本塁打を呼び込んだ。
決めたら躊躇しない原采配に、救援陣温存といった選手起用での“制限”が加わったら、長所が発揮されない。
「売り出し中の若手野手の大半は、高橋政権で獲得し、育成した者ばかり。4番の岡本も高橋前監督がガマンして使い続けたから、今日があるんです」(プロ野球解説者)
一方の“次期監督候補”のゴジラ松井だが、これまで指揮官就任のオファーを断り続けたのは、一学年年下の高橋前監督からその座を奪うような図式を嫌ったからだという。高橋時代に育て、原政権で開花した今の若手を見せられたら、巨人との距離感を縮めようとしなかった心境にも変化が見られるかもしれない。やはり、29日の原監督の胸中は複雑だ。同日のテレビ中継は試合以外でも楽しめそうだ。(スポーツライター・飯山満)