報道によると、この関係は奥川のいとこが高木の妻ということによるもので、甲子園出場前後には高木から奥川に対して直接激励の言葉もかけられていたという。
今秋のドラフトで1位指名が確実視される右腕と、ブルペン陣の一角として首位・巨人を支える左腕に意外なつながりが存在していたというこの一件。これを受けてネット上には「こんなつながりがあるとは知らなかった」との声が多数寄せられているが、その一方で「巨人の単独指名決まりじゃん」、「指名に向けて外堀を埋めてきてる感」、「これは新手の囲い込み」などと、今秋のドラフトを心配する声も少なくない。
奥川に関する報道の中では、他にも巨人と関連付いた内容が伝えられている。例えば、奥川が使用するグラブは菅野智之モデルのもので、今大会では新調して使用。大会前にはその菅野から評価されていたことを知り、喜ぶ一幕もあったという。
加えて、奥川が所属する星稜高校は、“ゴジラ”の愛称で親しまれた松井秀喜氏を輩出した学校でもある。ちなみに、松井氏はチームの戦いをネット中継で全試合観戦していたといい、大会終了後にはねぎらいのコメントを寄せてもいる。
もちろん、こうした周辺情報の多寡にかかわらず、他球団も欲しいと思えば奥川を指名することはできる。ただ、過去の巨人のドラフトを振り返ると、長野久義(2009年/日本ハム、ロッテの指名を拒否)、澤村拓一(2010年/大学時代の監督が巨人OB)、菅野(2012年/原監督の甥・日本ハムの指名を拒否)といった“相思相愛”の選手はいずれも一本釣り。このことを考えると、場合によっては巨人との競合を避けるために、奥川から手を引く球団が出てくる可能性も否定はできない。
当初は奥川ではなく、岩手・大船渡の佐々木朗希を評価していたという巨人。仮に狙いを切り替えたとなれば、先述したような奥川と巨人のつながりは他球団に対する強烈な“牽制球”となるかもしれない。ただ、肝心のクジ運はというと、巨人は2016年(田中正義/ソフトバンク)、2017年(清宮幸太郎/日本ハム)、2018年(根尾昂/中日)と、3年連続で当たりクジを逃し続けているが….
文 / 柴田雅人