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ニューヨークレポート 世界の中心で卓球が出来る!

 ニューヨークに「ピンポン・バー」なるものが出来た、しかも女優のスーザン・サランドンが設立したと日本で知ったので、一体どんなものかと訪れてみた。「スピン」<http://spinyc.com/>がそれで、23丁目のパーク・アベニューからすぐ、マレー・ヒルと呼ばれるあまり特徴のないエリアにある。地下なのでちょっとわかりにくい。

 日本でも卓球バーと謳っているところもあるが、卓球台が子供だましの小さなサイズだったりするのに対し、スピンの卓球台がオリンピックサイズとは立派。見渡したところざっと10台はある。バーは小さい。卓球を介した社交クラブと銘打っている通り、通勤帰りのサラリーマンが同僚と飲んだり食べたりしながらピンポンをしている。何となく不思議な光景だった。

 中学高校と卓球少女だった私としては嬉しい限りだが、アメリカ人で卓球の上手い人ははっきり言って少ない。市立の体育館に卓球のクラスがあるというのでそちらも覗いてみたら、中国人の男性には上手い人が多かったがアメリカ人で基礎が出来ている人は皆無だった。温泉卓球の伝で、バックでショートに構えてコツコツ当てるだけ。ラリーが出来なければ上手いとは言えない。アメリカ人の自称「上手い」は信用できないのだ。ちょうどニューヨーカーが推薦する「美味しい寿司」が信用できないように。

 今はない「ハーフノート」というジャズクラブの控え室に何故か卓球台があり、ジャズマンのソニー・ロリンズとボブ・クランショーと卓球をした事がある。スピンの他にもピンポンバーが幾つかあり、トーナメントも行っているが、流行っている、とまでは言えない。一般のアメリカ人の中にはピンポンって何だっけ、と知らない人もいた。

 ちなみに63歳のスーザンは23年連れ添った俳優のティム・ロビンスと別れ、スピンの共同設立者である33歳のセクシーなジョナサン・ブリックリンとの関係が噂されている。
(セリー真坂)

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