新型インフルエンザは次第に猛威を振るいつつある。日本での推計患者数は100万人を超え、死者数は、死亡原因疑いも含めると58人。基本疾患のない患者の死亡例も出るなどウイルスは“凶暴化”しているようにも見える。
「芸能事務所にとってやっかいなのは、若い患者ほど重症化しやすい点。多くの若手タレントを抱える事務所にとっては死活問題になりかねません。また、致死率が低いとされる新型インフルでも、かかれば最低1週間は休ませなければならない。その間の仕事のキャンセルだけでも事務所は頭が痛い。違約金問題に発展するケースもあり得ますから」(芸能リポーター)
すでに芸能界では、お笑いコンビ「オードリー」の2人、「NEWS」の山下智久、「AKB48」のメンバー7人らが感染して仕事を休むなどしたが、通常インフルエンザの流行時季は12月から3月にかけて。低温で空気が乾燥した冬場は、ウイルスが長生きでき人から人に感染しやすいとされている。「この特性は新型インフルザも変わらないようですから、今後、爆発的に患者が増えてもおかしくありません。また、今冬にかけてウイルスは変異を繰り返し、強毒性を持つ可能性も指摘されています」(医療関係者)
そんな状況の中、注目されるのが新型インフルエンザ用のワクチンだ。国は医療従事者や妊婦、基礎疾患を抱える人など計約5400万人にワクチンを優先的に割り当てるとしている。しかし、それ以外の一般人への接種では、いまだに指針が不安定な状況だ。芸能事務所各社も新型用ワクチンはのどから手が出るほどほしいが、当然ながらワクチンに「芸能人優先枠」など存在しない。
「一部の事務所ではすでに海外でワクチン接種させる段取りを整えているとも聞きます。しかしそんな金のかかること、所属タレント全員にやっていたら、とてももたない。一部の大物タレントのみに可能なことでしょう」(同)
そこで各事務所が頼みの綱にしているのが、ずばり“コネ”だという。
「全社員が病院関係者とのコネクションの有無を聞かれました。親族にでも医者がいれば、多少の優先はあるのではないかというわけです。正直、事務所の上層部はワラにもすがる思いなんですよ」(芸能事務所関係者)
所属芸能人のうち一人でも感染すれば、“事務所閉鎖”という最悪の事態もあり得るだけに、芸能事務所にとっては戦々恐々の日々。さても芸能界、この冬を乗り切れるだろうか。