この日の前日計量は57.1キロのリミットちょうど。調整は万全だ。世界初挑戦で苦杯をなめてから5カ月。悔しさを思い出し、ミット打ちやスパーリングをする時も常に王者オスカー・ラリオス(メキシコ)をイメージして練習してきた。「とにかく技術うんぬんじゃない。チャンスがあればどこでもいきます」とKOを予告した。「スタイルがどうこうなんて言っていられない。相手を追いかけて逃げ場をなくして、打ち合いでも負けないように圧倒して勝つ」とどん欲に勝利を目指す。
母親からは「高貴な王者を目指せ」と檄(げき)を飛ばされた。「紫は高貴な色なんで。パンツもトランクスもジャージも紫でそろえる」。全身紫で統一し、悲願のベルト奪取を狙う。
一方、王者ラリオスもリミット一杯で計量をパスした。