日本ハムで今季、主軸を務める万波中正が攻守で存在感を放っている。自身初の開幕スタメンを勝ち取った今季は、ここまでレギュラーとして出場を続けており、4月下旬には今季初の4番で出場。以降、清宮幸太郎とその座を競う形で日本ハム打線を牽引している。
昨年までも打者としてのスキルの高さは評価されてきており、今季はさらにタイトル争いも演じるほどに。8月30日試合終了時点で本塁打20、打点61と何れもリーグ上位に位置している。さらに、2塁打もリーグ2位となる27を記録するなど、バットは冴えを見せている。
また、守備での貢献度も高い。守備位置であるライトからのバックホームや内野への送球がすでに「レーザービーム」と称されるなど、その強肩ぶりが幾度となく発揮されてきており、また、8月16・17日、エスコンフィールドでのロッテ戦で2日とも、ライトフェンスに激突するダイビングキャッチを披露。連日、守備でもファンを沸かせるなど、その高い身体能力による攻守でのパフォーマンスは今季の日本ハムのストロングポイントとなり得ている。
今季はオールスターゲームでも2試合連続で本塁打を放つなど、ここでも長打力を印象付ける結果を残した。自身初出場の大舞台でも物怖じせず、豪快なスイングでスタンドに打球を放り込んでいる。初戦では敢闘選手賞、さらに2戦目には最優秀選手にも選ばれるなど、まさに大物ぶりを見せつけている。
そのオールスター後には日本ハム指揮官である新庄剛志監督が、自身が現役時から背負い続けてきている背番号1の「継承者」として万波を指名したと伝えられ、大きな話題となった。新庄監督の現役時のプレーも豪快なスイングでの打撃や、広い守備範囲、さらに強肩を武器としていたこともあり、現在の万波と重なる部分が少なくない。23歳の「スター候補」が今後、背番号1を指揮官から譲り受けることも十分あり得るだろう。
日本ハムは長く最下位に沈んでいたものの、8月は5連勝を記録するなど月間で勝ち越しに成功しており、順位も5位に浮上した。清宮、さらに野村佑希といった若手選手の活躍が原動力となっている現在の日本ハム。その中心にいる若き主砲、万波には攻守での活躍はもちろん、打撃タイトル獲得など、誰よりも大きな期待がかけられることは間違いないだろう。(佐藤文孝)