6日放送の『ジャンクSPORTS』(フジテレビ系)で、このような言葉を口にしたのは鈴木誠也(広島)。自らの球団を下げ、他球団である巨人を持ち上げているようにも捉えられるこの発言は、ネット上で物議を醸している。
昨季「打率.320、30本塁打、94打点」と出色の成績をマークし、押しも押されぬ“赤ヘルの4番”となった鈴木だが、もともとは東京・荒川区の出身。また、番組内でも紹介があったが、父親は「ゴリゴリの巨人ファン」でもある。こうした背景を考えると、心の中に“巨人愛”が根付くこと自体は不思議なことではない。
ただ、心の中では何を思っても自由だが、それを公言するとなると話は変わってくる。しかも、今回鈴木が公言した場はご存知の通り全国ネットのテレビ番組であり、その分発言のリスクも大きいことは想像に難くない。それにもかかわらず冒頭のような発言を口にしたとなると、広島にとっては看過できない事態になりかねない。
今オフFA権を行使して巨人に移籍した丸佳浩は、移籍会見の中で巨人に対する「憧れ」も移籍の理由の一つだったと述べている。もしこうした“巨人愛”が鈴木の心中にあり続けるならば、ファンの危惧が現実のものとなり、戦力面、人気面において多大なダメージを負うことは避けられない。
鈴木がFA権を取得するのは、順調に行けば3年後の2022年。チームにとっては、今季から背番号「1」のユニフォームを背にするスター選手の残留をかけた、勝負の3年となるだろう。果たして、広島は鈴木の“巨人愛”を誠意で拭い去ることはできるのだろうか、それともその愛の大きさの前に“連敗”を喫してしまうのだろうか。
文 / 柴田雅人