来季のFA権取得選手の中で、一番の大物といえるのが菅野智之(巨人)。昨季は「15勝8敗・防御率2.14・200奪三振」の成績を残し、2年連続で沢村賞にも輝いた球界随一の好投手だ。
伯父の原辰徳が今季からチームの監督に復帰したこと、将来的なメジャー挑戦希望を持っていることを考えると、権利を行使する可能性はほとんど無いかもしれない。ただ、万が一宣言に踏み切るようなことがあれば、札束が飛び交う“マネーゲーム”が展開されることは間違いないだろう。
複数のファンが「丸の二の舞か…」と、早くも白旗を挙げているのが會澤翼(広島)。昨季規定未到達ながら「打率.305・13本塁打・42打点」をマークし、チームのリーグ3連覇に大きく貢献した主力捕手だ。
一昔前とは違い、“打てる捕手”の希少価値・需要が高まっている近年の球界。そのニーズに合致した會澤が権利を行使するとなれば、捕手を立て続けに獲得している巨人を筆頭に、複数球団が獲得に動くことは極めて濃厚だ。
その會澤と同じく、「来年は流出かも」と言われているのが菊池涼介(広島)。昨季は「打率.233・13本塁打・60打点」と打撃では数字を落としたが、代名詞である守備ではきっちりとゴールデングラブ(6年連続)を獲得している。
山田哲人(ヤクルト)と並び、現在の球界ではトップクラスの二塁手である菊池。二塁手を固定できていない巨人、DeNA、ソフトバンクといった球団から、秋波が送られてきたとしても全くおかしくはない。
以上が、セ・リーグにおける注目のFA選手3名だ。なお、パ・リーグの注目選手に関しては、稿を改めて触れていきたいと思う。
文 / 柴田雅人