FA有資格選手91名のうち、国内FA権を行使したのは浅村栄斗(埼玉西武)、西勇輝(オリックス)、丸佳浩(広島)の3名。また、国内のみならず国外球団との交渉も可能となる海外FA権も、中村剛也(埼玉西武)、炭谷銀仁朗(埼玉西武)の2名が行使している。
中村に関しては既に権利を行使した上での残留が発表されているため、実際に市場に出ることとなるのはその他4名の選手たち。どの選手も、他球団が獲得を狙っていると報じられている。交渉解禁日である本日15日からは、“移籍”を狙う他球団と“残留”を願う自球団による争奪戦の模様が連日伝えられることになるだろう。
ところで、今回取り上げたFA宣言だが、個人的にはほとんどの選手が新天地への移籍を選択している印象がある。FA権は毎年複数人の選手が権利を行使しているが、その移籍率は一体どのようなものとなっているのだろうか。
昨年までの10年間に、FA権を行使したのは総勢76名(国内FA34名/海外FA42名)。その内、他球団へ移籍した選手は62人(国内48名/国外14名)で、自球団に残留した選手は14名。つまり、FA権を行使した選手は、その約「81.6%」が移籍を選択している。この数字をどう捉えるのかは人によるだろうが、個人的にはかなり高い数字という印象の方が強い。
ちなみに、今回のFA4選手の所属球団である広島、埼玉西武、オリックスの球団別移籍率は、広島が「100%」(国内2名/国外1名/残留0名)、埼玉西武が約「90.9%」(国内8名/国外2名/残留1名)、そしてオリックスが約「66.7%」(国内3名/国外1名/残留2名)となっている。
多くのFA選手が、新天地への移籍を決断している過去10年のFA市場。果たして、今回のFA4選手はどのような決断を下すことになるのだろうか。
文 / 柴田雅人