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ベテランの出戻りコンバートは難アリ!巨人が叩かれて阪神が称賛された理由

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原辰徳

 巨人、阪神、伝統球団の「出戻りコンバート」が明暗を分けたようだ。
 巨人のベテラン・阿部慎之助(39)がキャッチャーへの帰還コンバートを直訴し、原辰徳監督(60)がそれを了承した。今季は代打での途中出場も多かった。近年、一塁を守ってきたが、そもそも、コンバートされたのは年齢的衰えによるもので、捕手という体力的負担の多いポジションから解放することで、「打者・阿部」の選手寿命を長くさせるためだった。
「捕手というポジションに思い入れがあるようです。『悔いがないように…』なる阿部の言葉から察するに、そう長くない残りの現役生活を意識しての直訴だったのでしょう」(スポーツ紙記者)

 ベテラン捕手に対する投手陣の信頼は厚い。しかし、相手チームの機動力を阻止する点を考えると、それなりのリスクも負うことになる。一方、阪神のベテラン・鳥谷敬(37)もショートへの帰還を矢野燿大監督(49)に訴えた。広い守備範囲に戻るリスクはあったが、こちらも矢野監督が受け入れた。
 問題は、阿部の帰還には批判的な声が多く、鳥谷のショート帰還には好意的な意見が寄せられていること。この違いは何なのか…。
 何人かのプロ野球解説者にこの質問をぶつけてみたが、大半が口にするのは巨人が今オフに狙っている「FA補強」を挙げていた。原監督は広島の丸佳浩外野手だけではなく、埼玉西武・炭谷銀仁朗捕手の獲得も狙っているという。セ・リーグトップの盗塁阻止率を誇る小林がいて、大城、岸田、宇佐見らもいる。ここに阿部が帰還して、さらに外部からも補強するやり方は、「余剰人員を増やすだけ」だと言う。

「阿部も捕手に戻ったからといって、出場機会が増えるとは思っていないはず。阿部にはチームの守備全体を指示させ、事実上のコーチとなるのではないか」(ベテラン記者)
 気の早い話だが、3年契約の原監督の後継者を重ねて見る向きもあった。
「鳥谷の場合、本人がいくら否定しても、金本知憲前監督との間に確執があり、出場機会に飢えていました。矢野監督はショート帰還を認めることで、鳥谷に再起の機会を与えたかったのではないか」(在阪記者)
 決定的な違いは、矢野監督は内野手の外部補強をしていないこと。だが、北條、植田などの若手も成長しており、鳥谷のスタメン復帰は難しそうだ。

「本人をやる気にさせることが重要です。阿部が捕手に帰還すると決まり、他の捕手たちは戦々恐々としています。炭谷のFA獲得も既成事実のように伝わっているし。炭谷がFA権を行使した最大の理由は出場機会を求めてのこと。そうなると、小林はまたつらい思いをさせられる。小林はたしかに『打撃に難アリ』ですが、リーグを代表する強肩捕手です」(プロ野球解説者)
 ベテランの帰還コンバートという点では、やはり、矢野監督のほうが巧くいったようだ。原監督は阿部、小林、炭谷をどう使い分けていくつもりなのだろうか。(スポーツライター・飯山満)

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