◇今週のこの1枚◇レッド・ホット・チリ・ペッパーズ「Blood Sugar Sex Magik」(1991年/Warner Bros.)
メンバーの死や様々な問題を乗り越えて、奇跡の復活を果たした前作「Mother's Milk」のセールスの成功と新たなメンバーの加入により、音楽の変換を果たした、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの次のアルバムです。
洋館でメンバー全員が半年ほど泊り込み、30曲近くの曲を録音します。アルバムから漏れた曲は、その後の「Californication」までのシングルのB面で使われた曲が多いです。半年ほどでこれほどの曲を録音することは、バンドの勢いとメンバーのコンビネーションの良さが窺えます。全体を通して、アルバムから非常にリラックスした空気を感じますね。
元々は、skater rockと呼ばれ、hardcore punkに近いサウンドでどれだけ速くて、刺激があるかを競っていたバンドですが、前作からfunkを大胆に取り入れ、中にはホーンをフィーチャリングした曲もあり、そんな中にpunkのアプローチのある曲も入れ、そういったものを融合した作品だったのですが、この作品は頭からどっぷりとfunk色が強く、速いスピードは身を潜め、その代り、極限までのトリオのリラックスした中での緊張感が聴けます。逆に、この時代ではこのスタイルを貫くことがpunk的であり、新しく、羨ましいほど刺激的でしたね。
前作よりもさらにこのアルバムは成功を収め、シングルの「Give It Away」はグラミー賞を獲得します。現在でもこの曲は、レッチリがよくアンコールで演奏しているみたいですね。このアルバムがレッド・ホット・チリ・ペッパーズを不動の地位にしたことは間違いないと思います。
■マグミ オフィシャルウェブサイト http://magumi.jp/main.html
■ライブ日程はこちら http://npn.co.jp/newsrelease/detail/0352870/