◇今週のこの1枚◇ザ・クラッシュ「London Calling」(1979年/Sony Music Entertainment)
高校生の頃、土曜日にテレビで洋楽のリクエスト番組をやっていて、その中で初めて「London Calling」を見て聴いた衝撃は、今でもはっきり覚えていますね。脳天を斧で叩き割られたように「こりゃ渋い、かっこいい」とすべてを持って行かれました。
世界的にも同じだったみたいですが、punkに洗礼を受けた若者たちは頭が固く、クラッシュは、2枚目までしか聴かないといった言葉をよく耳にしたものです。3rdアルバムにあたるこの作品は、punk、reggae、rockabilly、funk、jazz等と幅広く、私も最初の頃は、2曲目の「Brand New Cadillac」までで、他のものはどうでもいいやと思っていました(笑)。クラッシュにキーボードが入っていること自体、許せませんでしたからね。
当然、今では全体として大好きなアルバムで、rockバンドとして新たな挑戦に向かって行ったことは、とても共感できます。この当初、クラッシュのメンバーが、punkはサウンドやファッションではなく挑戦する心構えや姿勢の問題と、よく言っていたことからも分かりますね。あと、このバンドは、メロディーが凄くキャッチーなのも様々な音楽を成立させています。
クラッシュの結成当時、オーディションを繰り返してメンバーを集め、結果的に楽器の上手さではなく、punk的なルックスでメンバーが決まり、ベースのポール・シムノンは、1stの時は、チューニングもできなかったらしいです。それが、3枚目でこれだけ音楽性にも花開くバンドの成長ぶりは、今考えると、びっくりしますね。タイトル曲の「London Calling」に至っては、まさしく、punkとreggaeの融合ですね。そんな言葉より、まじかっこいい。
高校生だった僕たちは、punkに夢中になり、当然、それを周りに知っている友だちも少なく、そんな友だちと少ない情報交換をしたり、punkTシャツを作っていたりしたのですが(笑)。情報の多い東京に来たら、パンクスがうじゃうじゃといるものだと思っていたのですが、やはり、少数派でした(笑)。
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