「私は“先生、今までで一番上手だと感じた歌手は誰ですか?”という質問を受けた時、必ず“マイケル・ジャクソン”と答えます。(霊言でマイケルを呼んだ事は)素晴らしいと思いますし、世界一のエンターティナーでしたからマイケル本が発売されるのは自然ですよね」と伊藤は語る。
09年、生涯最後の公演『THIS IS IT』を目前に控えた6月25日に自宅で急逝。全世界を衝撃に巻き込んだ事は記憶に新しい。
83年、空前のヒットとなった代表曲『Thriller』。華麗な歌、ダンスは思想や文化を超えて全世界を熱狂。マイケルを名実共、「世界一」にのし上げた楽曲となった。
伊藤によればマイケルの歌唱は「打楽器と同じ」。その根拠をこう語る。
「普通、音は“フワッ”と出る。ところがマイケルは“パン、パン”と(音を)出す。上から叩く感じで音を出しています。合わせて“パン、パン、パン”と音を出すので次の単語を予見させない。音が流れないのです。踊りも同じ。“パン、パン”とキレを出している。相当、努力したのだと思います。ヴォイストレーナー(歌唱指導者)の指導も質が高かったのでしょう」(伊藤)
だが、ここを境に彼の人生は暗転。ヒット曲には恵まれるがプライベートはスキャンダルまみれ。あることないこと米タブロイド紙に報じられた。
それが原因なのか、マイケルは精神病に冒され度々、奇行を報告されるようになった。実際、死因が特定されておらず、今なお「自殺説」が流布している程だ。
わずか50年という短い生涯だったが『Michael Is Here!』でマイケルは次の様に語っている。
《ただ歌を歌って、踊って、エンターテインメントを作る。それが僕の人生計画だった。》
それに呼応して伊藤も又、同様な意見を口にするのだ。
「マイケルは役目を終えた。シェークスピアも56歳でこの世を去った。大物は晩節を汚さない。マイケルは輝いていた時に去った。これはそもそも人生のシナリオ。最期はこうなる事が予定されていたのです」
書籍『Michael Is Here!』と伊藤の話を総合するとマイケルはある意味で大往生だった様だ。その為か、同書によると彼は今、あの世で音楽に囲まれながら日々、楽しく暮らしているという。
《天国の音楽を聴いているんだよ。僕は、新しい世界を探検していて、僕の音楽とダンスについて、新しいアイデアが欲しいんだ。》
《たくさんの天使がいるよ。彼らは毎日、歌を歌っている。そして、光り輝いている人たちで、つまり、光を放っていて…》
最後に死後の世界に詳しい伊藤はマイケルのあの世での生活を「本(『Michael Is Here!』)書かれてある通り、光と音楽の中で暮らしています。美空ひばりさんもそう。誰にも邪魔されず音楽活動に没頭しているそうです」と語る。
スーパースターの魂は今も「Thriller」をセクシーに熱唱中。ファンは何より安堵した事だろう。