宮崎県は5月2日、勤務先の県立日南病院(日南市)に、ペットの小型犬を持ち込み、骨折が治癒したか調べるために前脚をエックス線写真で撮影したとして、放射線科勤務の非常勤女性看護師(33)を停職15日の懲戒処分にした。依頼されて撮影した係長級の男性技師(51)も、減給2カ月(10分の1)の処分を受けた。
県病院局は医療機器の私的利用や、「感染症予防のため、小動物を院内に持ち込むべきではない」として不適切な業務行為と判断した。
県によると、女性看護師が、飼い犬の骨折が治ったか確認するため、同僚の技師に撮影を依頼。技師は当直勤務だった3月10日に撮影した。同日、女性看護師は非番だった。
犬は体重2〜3キロで、生後約1年のチワワとパピヨンのミックス犬。女性看護師は治ったかどうか不安だったため、翌11日、この写真を動物病院に持参。写真の縁に「県立日南病院」と書かれていたため、動物病院が不審に思い、4月17日に県に通報して発覚した。
女性看護師と技師は「してはいけないことをしてしまい申し訳ない」と話しているという。
渡辺亮一県病院局長は、「誠に遺憾。高度で良質な医療の提供と信頼回復に努める」とのコメントを出した。
いくらなんでも、公私混同もはなはだしい話だ。女性看護師が自身のエックス線写真撮影を依頼したのなら、まだ分かるが、ペットの写真撮影を同僚技師に頼むなど、言語道断。女性看護師には十分、反省してもらいたい。
(蔵元英二)