地味なOLから一転、企画AV女優にスカウトされたことをきっかけに新たな人生を歩む主人公を演じた安井は、本作が長編映画初出演の初主演。企画AV女優という役柄だけに、過激なシーンも数多く登場する。安井は「私自身とても不安でしたが、佐藤寿保監督をはじめスタッフの方々も不安だったと思います。でも選んでいただいたからには、できるだけのことはしようと思いました」と本作出演に当たっての意気込みを語る。
AV女優という職業についての印象は「最初はなかなか理解できませんでした。でも自分でAV女優という役柄を演じていくうちに、そういった職業についての考え方や見方は変わりました」とのこと。一方、佐久間演じるのは恋人を養うためにAV女優として働き、AV経験ゼロの主人公に心を許す姉御的キャラクター。安井とは一転「AV女優という役柄に対する不安はなかった」という佐久間は、演じていく中で「色々なものを捨てて自分をさらけ出すことができるというのは、ある意味魅力的なのかも」と話す。
劇中でAV女優という職業を疑似体験した安井と佐久間だが、役作りの上で欠かすことができないのは事前のリサーチ。安井が「ノーマルなものからハードなものまで、本物のAVを真夜中に観て研究しました」と知られざる努力を明かすと、佐久間も「私は役柄を考えて、プロ系じゃなくて素人系のAVを観ました」とカミングアウト。佐久間が「興奮ではなく、『本当に観てもいいのだろうか…』というドキドキ感がありました」と感想を述べると、安井も「可愛いなって思う人もたくさんいましたね!」と衝撃を受けた様子。
普通の役柄では得ることのできない数々の苦労を経て、それぞれのキャラクターを“生きた人物”として見事に演じ切った二人。佐久間は安井を「初というのを微塵も感じさせないし、緊張もまったく感じなかった。撮影を重ねる中で表情も豊かになって、一緒にやっていて心強かったです」と評価する。安井も「一緒に出演しているシーンは、観ていて安心します。撮影中も何度も佐久間さんに助けられているなって感じました」と思いを述べるなど、撮影期間10日というハードなスケジュールを共に乗り切った者同士の強い絆を感じさせた。
映画『名前のない女たち』は9月4日よりテアトル新宿ほかにて全国公開