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寺山修司とは 寺山の生み出した理想の人間だった!?

 某人気同人ゲームに登場する主人公に「口先の魔術師」という二つ名を持っている者がいるのだが、現実の世界にも「言葉の錬金術師」と呼ばれた作家が過去に存在した。その作家の名は寺山修司。

 小説家や映画監督、俳優に作詞家、その他にも様々な活動を行っていたため、メディアから本職は何かと問われることが多々あったのだが、その度に「僕の職業は寺山修司です」と答えるほど、自分の職業に誇りと自信を持っていた人物として知られている。
 だが人によると彼の自尊心は行き過ぎていたのではないかとの意見もある。

 例えば、彼自身が行う寺山修司の自伝改ざんだ。よく知られているのは、彼の出身地が幾度となく変わることだ。何度か自分自身で、己の出身地について記しているのだが、その度に弘前市や五所川原市、三沢市とコロコロ変わり、その理由は「自分は走っている列車の中で生まれたので、故郷はないのだ」と語っている。

 他にも自伝の中に「自分は学生時代にボクシングを3年間続けていた」との記述があるのだが、寺山の学生時代を知るものによると、誰も彼がボクシングをしていたことを知るものが誰一人としていないのだ。
 
 さらに自分のことをいじめっ子であったかのように記している部分も見受けられる。寺山の自叙伝『誰か故郷を思わざる』内で、カマキリという名の少年が幼少時代の寺山修司にイジメられる箇所があるのだが、実はこの時の寺山の立ち位置はカマキリの方であったといわれているようだ。つまり、エピソード自身は本当に寺山自身が体験したものであるのだが、それをまるっきり逆にしてしまったのだ。
 
 以上の点を見れば、彼がなりたかった姿を反映した人物こそが寺山修司であった可能性がある。「寺山修司」という人間は、負けず嫌いな性格が生み出したのではなく、自分を卑下した心から生み出された存在だったのかもしれない。

(梅季 立風 山口敏太郎事務所)

参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou

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