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ジョン・レノン、両親の愛に飢えていた幼年時代

 ジョン・レノンといえば、元ビートルズのスーパースターであり、日本人女性のアーティストであるオノ・ヨーコと結婚した親日家、というイメージが強い。

 ジョン・レノンは1940年10月9日、イギリスのリバプールで、父親アルフレッドと母親ジュリアの間に生を受けた。父であるアルフレッドは、船員として長期航海のため家に帰る機会が少なく、母親も他の男と同棲中でジョンを育てる力がなく、彼は幼少から母の姉であるミミ叔母さんの元で育てられた。その後父親は行方不明となり、母親とも暮らせないジョンをミミ叔母さんはとりわけ可愛がった。 

 しかし、本当の親でない叔母夫婦に育てられたジョンは、思春期になると、常に孤独を感じていたという。彼の当時の写真を見ると、常に内向的な顔をして写っている。当時のジョンは母親の愛に飢えていたのである。

 ジョンが16歳になった頃、母親ジュリアが近くに住んでいることを知ると、彼は頻繁に母親の家に遊びに行った。母親はジョンにギターやプレスリーなどの音楽を教え、ジョンも母親から教わったギターに興味を持った。その後、高校時代に後のビートルズのメンバーであるポール・マッカートニーと知り合い、当時ジョンが作っていたバンドであるクオリーメンに加入した。

 1958年7月15日、ジョンの母親であったジュリアが自動車に跳ねられ事故死した。後年ジョンは母親を二度失ったと語っている。一度目はミミ叔母さんに預けられた時、そして彼が再び母親と親交を築いていた矢先での事故死だった。後年彼は「マザー」という曲で、母親についての思いを歌っている。

 1975年、オノ・ヨーコとの間に息子であるショーンが生まれると、彼はそれまでの音楽活動を一切辞めて、主夫として息子を育てた。父親の愛を知らないジョンは、息子には父親の愛を教えたかったのかも知れない。

 現在、ジョンの青少年時代を描いた映画『ノーウェアボーイ』(サム・テイラー=ウッド監督、アーロン・ジョンソン主演)が11月5日から全国公開中である。

(藤原真)

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