横綱4場所目ともなれば、自分のペースを完全につかんだのだろう。取り口はもちろん、表情や振る舞い、そして言動。いい雰囲気を醸し出す白鵬が、ストレートで勝ち越しを決めた。
全勝で前半戦を折り返すのは、新横綱だった昨年名古屋場所以来。その話題をなかなか振らない報道陣に「だれも聞いてくれないからなあ。一応勝ち越しですからね」と笑わせた後、「横綱の責任を果たさないと」と口元を引き締める。けがをした琴奨菊を「大丈夫かな」と優しく気遣うところは、22歳の好青年だ。
初の3連覇へひた走る横綱に対し、北の湖理事長(元横綱北の湖)は「ほかの人に攻めるところはない感じだ」と満点の評価。朝青龍ばかりが注目される今場所だが、こちらの横綱の充実ぶりも見逃せない。「優勝争いを引っ張る。その強い気持ちだけです」と頼もしい白鵬の存在感が、日に日にクローズアップされていく。