最強の挑戦者を前に三沢タイガーがついに牙をむく。
昨年1月のGHCヘビー級王座戦で場外パワーボムを食らい、試合には勝ったものの、病院送りにされた三沢。過去に最も苦しめられた挑戦者との対戦を前に、意識しないはずはなかった。
今シリーズ最初で最後の前哨戦となった23日の京都大会で、奇襲を仕掛けるなど暴走気味の森嶋と壮絶なエルボー合戦を演じた三沢。「まあ、いいんじゃないの。お互いの意識している部分が出た」と冷静に振り返ったが、この試合である決断を下した。
それが猛虎殺法の解禁だ。ここ最近のタイトル戦で三沢がフィニッシュに使用したのは、TNAからの刺客サモア・ジョーらを沈めた後頭部へのエルボーや、田上明、丸藤正道らを沈めてきた変形エメラルドフロウジョン。しかし、前哨戦を経て三沢は「1つの技に執着しては勝てない」という思いを強めた。
昨年、ROH世界王者として日米を行き来するハードスケジュールをこなしながら20回の防衛を重ね、さらなる進化を遂げた森嶋に対し、ことあるごとに「最強の挑戦者」と呼び続けてきた三沢。「いまさら対策も何もない。最後まで集中力をなくさないようにするだけ」と平常心を装うが、やはり内心は穏やかではない。
「最強の挑戦者」を破るため、三沢はこれまでの経験から培ってきたすべての技を出し切る覚悟を決めた。「今までの培ってきたすべてを出して本能のままに戦う」と猛虎殺法を解禁することを宣言。
ここ一番にしか出さないタイガードライバー91やタイガースープレックス85、さらには断崖式タイガードライバーや、エプロンからの投げっ放しタイガースプレックスなど、奥の手ともいえる超絶兵器の投入も辞さない構えだ。
三沢は「とにかく頭打つとか、記憶を失いさえしなければね」とニヤリ。森嶋に政権を譲るつもりなど毛頭ない。挑戦者が最強ゆえに呼び起こされた眠れる虎が3・2日本武道館で再び帰ってくる。