冒頭、菅林直樹会長からIWGP世界ヘビー級王座の新設が発表された。菅林会長は「私より発表させていただきます。まず、二冠王者の飯伏幸太選手よりかねてより要望がございました二冠統一に関してですが、昨日の結果も踏まえ、当社で協議した結果、現王者の意向も尊重し、IWGPヘビー級王座とIWGPインターコンチネンタル王座を統一し、両王座の歴史を継承したIWGP世界ヘビー級王座を新たに制定することになりました。また、ベルトも新調いたします。これにより、初代王者は飯伏幸太選手に認定し、初防衛戦は4月4日両国国技館大会にて『ニュージャパンカップ2021』の優勝者と行うことといたします」と二冠王座統一に伴うIWGP世界ヘビー級王座の新設と新たなベルトの作成、初防衛戦を4.4東京・両国国技館大会で開催することなどを明らかにした。
この発表を受けて、前日に内藤哲也とのIWGPインターコンチネンタル選手権試合を制した飯伏幸太が登場。
飯伏は「そうですね。一夜明けて、昨日、その内藤哲也と対戦したんですけど、これまでお互いの主張が、全然違ったというか。まあそのー、僕は2つとも守りたい。2つとも無くしたくない。うん。だから残したい、という意味で言ってきて。内藤さんはインターコンチを選びましたよね、ええ。まあ僕にはその先の理由っていう細かい理由はわからないですけど。なぜ選んだのか。でも、最終的に最後まで結局、その話は決まらず、じゃあ勝負で決めよう、って昨日至ったわけですよと。ええ、もうあと、その勝負までの、いろんな、その〜、ただの戦いじゃない戦い。戦うだけじゃない部分の気持ちの戦いですか、はい。があって、僕には昨日、内藤さんの、気持ちが本当に伝わりました、うん。まあ彼の言っていることもその、わかる。うん、そりゃわかるなと思ったんですけど、僕はやっぱりこの2つのベルトは守っていきたい、継承していきたい。だからこの2つのベルトはやっぱり守り抜いて1つにしたい、うん。これはもう以前と変わらないです、はい」と二冠統一への思いを改めて述べると、「そして、1つ、僕から提案があるんです。あの、3月4日、武道館ですか。メインイベント、エル・デスペラード選手、昨日入ってきて、まあ僕、挑戦、なんか表明されましたけど、逆に僕からお願いします!この2つのベルトを懸けて、タイトルマッチ、やりましょう。ぜひ」と4日に東京・日本武道館で開催される『旗揚げ記念日』で対戦するIWGPジュニアヘビー級王者のエル・デスペラードと最後のIWGP二冠戦をやりたいと提案。
飯伏はリスクを問われると、「そうですね、はい。お願いします、ぜひ。この2つを僕から懸けたいです、はい。今、ジュニアヘビー級のチャンピオン、そしてタッグのチャンピオン。二冠、持ってますよね。どのくらいの実力なのか知りたいです。そして昔、彼が帰ってきた時に、僕が戦っているんですけど、シングルマッチで、ジュニアで。その頃とどう変わったのか。それも知りたいんで、楽しみです。僕はもういつでも、はい。あのー誰とでもやるって言ってあるんで。いつでもいいですよ。本当に今でもいいです。明日でもいいです。明後日でもいいです。でも、次決まっているのは武道館なんで、武道館でお願いします」とタイトルマッチに変更するように要求している。
会見後、新日本ではこの要求を受けて、飯伏とデスペラードの勝者をIWGP世界ヘビー級初代王者に認定すると発表。デスペラードが新日本マットに現れた際、最初に挑戦表明したのは当時IWGPジュニアヘビー級王者の飯伏だった。2人はその後、短期間ながらタッグも結成している。IWGPヘビー級とジュニアヘビー級のチャンピオン対決が二冠戦になったのは興味深い。
また、初代王者アントニオ猪木(ハルク・ホーガンは大会優勝者)から始まったIWGPヘビー級王座の長きに渡る歴史に幕が降ろされるのは、いささか寂しさもあるが、IWGPヘビー級とインターコンチネンタル両王座を継承したIWGP世界ヘビー級王座は、さらにグローバルなタイトルになることを願うばかり。新日本が“世界”をつけたタイトルを管轄するのは昭和のNWF以来なだけに、楽しみである。
(どら増田)