就任以降、選挙時のプロフィール問題に関して告発状が提出されるなど、お騒がせが続く森田知事。就任後初の著書となる本書にも「芸能界は汚いといわれるが、政治の世界の汚さに比べればアユが泳いでいる川のようなものだ」との大胆発言を綴っており、また新たな火種を作りそうな内容なのだ。森喜朗元首相との敵対関係や自民党幹部から「確実に当選させてやる」といわれたエピソードなどが赤裸々に語られ、総選挙前に一つの話題になりそうだ。
しかし、そんなこととは露知らず、知事は値下げ開始の8月1日を前に上機嫌。この日は、同じく地方改革を唱う良きライバルの東国原宮崎県知事と橋下大阪府知事についても言及した。
「東国原さんはPRの才能にすごいものを持っているので、そういう政治を。橋下さんはドンドンぶつかっていく強い性格を活かした政治を。2人とも自分の利点をうまく利用してらっしゃる」と高評価する一方で「国会議員とのパイプは2人には持ってないものかな」と国政も経験した先輩タレント議員として少し自慢げに胸を張った。
公約の残る目玉は「成田・羽田間のリニアモーターカー導入」というこれまたトンデモなもの。本当に4年の任期内に実現できるのか? 本書を皮切りに地方から国への発言を開始した森田知事の“逆境力”に注目しよう。(関)