近藤氏はこれまでがん治療として一般的に選択されてきた、外科手術や抗がん剤投与などが余命を縮めるとして、種類や条件によってはがんは放置するべきといった主張を行ってきた。近藤氏の批判には一定の妥当性があるという声がある一方で、近藤氏の主張を鵜呑みにして手術などを拒否し、がんが進行し手遅れになってしまう患者も少なくないと言われてきた。
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2015年に胆管がんのため54歳で亡くなった川島なお美さんは、病気が発覚後、女優業を続けるために抗がん剤などの標準治療ではない手段を模索していたと言われる。その中で近藤氏のセカンドオピニオンを受け、「ラジオ波焼灼術」という治療法を勧められるも、大きな効果は見られなかった。そのため、川島さんは通常の治療として用いられる腹腔鏡手術を受けたが、時間が経過していたため病気は進行してしまっていた。川島さんは、この顛末を夫でパティシエの鎧塚俊彦氏とともに記した著作『カーテンコール』(新潮社)にまとめ、近藤氏の「がん放置」には否定的な考えを示している。
近藤氏は自身の著作で、乳がんで亡くなった漫画家のさくらももこさんや、フリーアナウンサーの小林麻央さんのほか、乳がんが再発し全身がんで亡くなった樹木希林さんなど著名人の病気を引き合いに、自身の主張を絡めて展開してきた。それが多くの人の注目を集めるきっかけとなったことは否めない。
一部ネット上では、当初近藤氏が投げかけてきた既存のがん治療への批判は評価される一方で、近年の主張は“トンデモ”に近いと見る声もある。近藤氏の主張が賛否両論を引き起こしてきたのは確かだろう。