「ドラフトで菅野(智之=東海大)クンを強行指名したのは、ダルビッシュが喪失した後のことを考えてのこと。菅野クンを説得できると読み違えたフロントのミスと言っていいでしょう」(プロ野球解説者の1人)
投手補強に関しては、ダルビッシュの去就が落ち着いてから正式に動き出すのかもしれない。タルビッシュの落札金を軍資金に充てる可能性があるからだ。しかし、それでは「遅い」との声も聞かれた。
「栗山新監督と巨人・原監督との間で、友情トレードがまとまるかもしれません。ただ、菅野クンの一件があるから、巨人側が日ハムとの交渉を嫌がるかも…。自軍のGMだった高田繁氏のいる横浜DeNAの方が日ハムも話しやすいのでは」(前出・同)
栗山英樹新監督(50)の現日ハムナインに対するコメントも、意味シンだ…。
リップサービスもあったかもしれないが、来季の開幕投手の筆頭候補に斎藤佑樹(23)の名前を挙げ(12月5日)、秋季練習を視察した11月にも、「もっとボロボロになる姿が見たい」と、檄を送っていた。後者はベテランのようなマイペースな練習ぶりに物足りなさを感じての苦言であり、言い換えれば、ダルビッシュ喪失後の『エース候補』と見ている証でもある。また、『ジョージア魂賞』の表彰式でのことだ(12月12日)。同賞選考委員として出席していた栗山監督は中田翔(22)を指し、「優勝チームの4番。まずはそのためにタイトルを…」と、さらなるレベルアップを課した。
「中田もその表彰式に出席していました。栗山監督の檄を報道陣から聞かされたとき、中田はニヤニヤしていただけでしたが」(報道関係者)
中田翔の反応を見る限り、栗山監督の言葉は響いていないようである。
「新エース」と「4番」を育てることが、栗山体制の方針でもあるようだ。
国内FA市場の目玉だった村田は巨人へ、杉内も「正式発表は時間の問題」と目されている。ダルビッシュの落札金を補強に充てるとしても、ビッグネームは残っていない。
ライバル球団の編成職員たちは「トレードなら1月に入ってからでも出来る」と見ているが、前出のプロ野球解説者はこう指摘する。
「優勝争いのライバルとなるソフトバンクは和田毅、杉内俊哉を当時に失い、最多勝のホールトンもいません。川崎宗則もいなくなるとはいえ、帆足和幸を獲得しています。選手層の厚いチームではありますが、オフの補強に積極的にはオリックスだけ。楽天の星野監督も今オフはほとんど動いていません。まだペナントレースを予想するには早過ぎますが、パ・リーグは大混戦になるかもしれない」
ダルビッシュの落札金額はすでに日本ハム球団に伝えられている。ポスティングシステムのルールでは、その応札金額が不服だった場合、日本ハム球団には拒否することもできる。「週明け19日には結論を出す」とは聞いているが(17日時点)、入札締め切りからすぐに回答しなかったのは、球団が予想していた金額を下回っていたのかもしれない。日本ハムはダルビッシュ流出後の先発投手を補強しないのではなく、「できない」のではないだろうか。