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入札球団あったダルビッシュ それでも消えぬ日本ハム残留説

 ポスティングシステム(入札制度)での米メジャー移籍を目指すダルビッシュ有(25=日本ハム)への入札が、12月15日(現地時間14日)に締め切られ、MLB(メジャーリーグ機構)は少なくとも1球団が入札に参加したことを明らかにした。米メディアによると、入札に加わったのは5、6球団とみられ、その最高額がNPB(日本野球機構)を通じ、日本ハムに伝えられた。

 国内メディアはメジャー移籍に向け前進とこぞって報道しているが、ダルビッシュが本当にメジャーに行くかどうかはこれからだ。まず、ダルビッシュと日本ハムが入札金額を受け入れるかどうか。目安となっているのは、06年末にレッドソックス入りした松坂大輔の例だ。松坂は同球団が約5111万ドル(当時約60億円※注)で落札、契約は6年総額5200万ドル(当時約61億円※注)だった。

 松坂と同等もしくはそれ以上との評価もされているダルビッシュにとっては、松坂の落札額を超えているかどうかもポイントとなる。落札額は本人の懐には入らないが、ダルビッシュのプライドを満たす額かどうかが重要。松坂より落札額が大きく下回るようなら、ダルビッシュ自身が拒否する可能性もある。それは日本ハムにとっても同様で、絶対的エースを放出するのに見合う落札額でなければ受諾はできないだろう。米国も日本と同じく不景気で、メジャー各球団の財政状況も必ずしもいいとはいえない。ましてや、高額で落札され、大型契約を交わした松坂が近年低迷していることや、阪神からポスティングで高額落札されヤンキースに移籍した井川慶の失敗例などで、各球団は日本人投手に巨額の資金を投じることに慎重になっているともいわれている。

 日本ハムは21日午前7時(米東部時間20日午後5時)までに回答しなければならないが、受諾した場合、その先にさらなる関門が待ち受ける。30日間の独占交渉期間で、契約がまとまるかどうかだ。一説によると、ダルビッシュの希望額は年俸2000万ドル(約15億6000万円)とも伝えられており、あくまでも強気だ。松坂の年俸は変動制だが、年平均だと900万ドルにも満たない。松坂より倍以上の条件を、ルーキーとなるダルビッシュに落札球団が出すのかどうかは疑問。

 仮に落札球団の提示年俸が1000万ドルだとすれば、円高の影響で約7億8000万円にしかならない。ダルビッシュの今季年俸は5億円(推定)だが、日本ハムは残留した場合、7億円超の金額を用意するともいわれており、メジャー移籍による金銭的メリットはない。

 スポーツジャーナリストのA氏は「落札額を受諾しても、本当に年俸2000万ドルを要求すれば、交渉が難航するのは確実です。従って、交渉がまとまらず、日本ハムに残留する可能性もあるとみています」と語る。

 入札球団があったダルビッシュだが、メジャー移籍実現となると、まだまだ険しい道のりが待っているようだ。

(※注=当時の為替レートは1ドル=約117円。現在は約78円)
(落合一郎)

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