約3年前、作品撮りで同所を訪れたという奈緒は、“席に座って自分が好きな映画を見ている自分”を撮らせてもらったそうで、「そのときにもし、自分が出た映画がユーロスペースでかかることがあったらいいなって話をしていて、こうやってかなうことができた」と感慨深い表情を浮かべた。
奈緒といえば、今年2クール連続のドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)でヤバイ女“尾野ちゃん”を怪演してブレーク。来年1月期のドラマ『やめるときも、すこやかなるときも』(日本テレビ系)ではヒロイン役を演じるなど、絶好調だ。
しかし、ここまでの道は決して平坦ではなかった。
生後7カ月で父を亡くし、早く働きたかったという彼女は高1のとき地元・福岡でスカウトされ、芸能活動を開始。モデル、リポーターを務めた後、女優に転身。東京での活動を目指すものの、所属先が見つからず、その間、福岡の事務所に社員契約してもらい、所属タレントをオーディションに連れていくなど、マネジャー的な仕事をしていたという。
20歳のとき、母親の反対を押し切り、単身上京。少ない仕事をこなしつつ、脚本家・野島伸司氏が総合監修を務めるアクターズスクール『ポーラスター東京アカデミー』を受験。特待生として所属してから仕事が増え、2017年8月、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』のオーディションでヒロインの親友役に抜擢。そして『あなたの番です』につながるわけだが、17年のHuluの連ドラ『雨が降ると君は優しい』に出演した際、野島氏が“頭二つ抜けてる”と絶賛していた。
来年の活躍も楽しみだ。