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長与千種 新団体Marvelous(マーヴェラス)初陣に女子プロレスファン1,300人集結

 女子プロレス界の新勢力・Marvelous(マーヴェラス)が3日、東京・豊洲で旗揚げされた。絶大なネームバリューを誇る長与千種が舵を取る、驚異の新団体。プロレス初仕様となる豊洲PITには、およそ1,300人の大観衆が押し寄せ、歴史的な幕開けを見届けた。

 お笑い芸人・椿鬼奴のお祝いVTRで幕を開けた初陣イベントは、所属全6選手にエールを送る長与のナレーションに合わせて、幼少期からの写真が5つのスクリーンに映写される粋な演出。14年3月の“That's女子プロレス”大田区大会に続き、歌手・華原朋美が再びサプライズ出演して、生歌で門出を祝福した。

 オープニングマッチは、この日がデビューの門倉凛。昨年、「プロレスに携わる仕事がしたくて」同団体の運営職員として入社したが、スタッフの薦めによって、レスラーに転向した23歳。およそ10か月前は腕立て伏せさえできなかったが、この日は、グラン浜田を父に持つ浜田文子を相手に、育成されたプロの姿を見せた。

 第2試合は、そんな門倉と同期にあたり、2月13日に米国ニューヨークで開催されたMarvelous USAのイベントでデビューした桃野美桜が、国内初試合。デビュー戦と同じ木村響子に2連敗を喫し、「技術も気持ちも及ばなかった」と肩を落とした。プロレスラーになりたくて高校を中退、単身で上京、NYでデビューする様子が、ドキュメント番組で放映された期待の17歳。門倉とともに、女子プロ界の次代を担う美少女だ。

 第3試合に出場した雫有希も先月、密着ドキュメント番組が放映されたばかり。上智短期大学(現:上智大学短期大学部)、慶應義塾大学通信制卒のインテリ・アスリートは、僧侶でもある。乳児院を支援する“きらきら太陽プロジェクト”の主幹でもあり、「キャリアは別だけど、キャリアを生かした出方ができるのは私だけ。上の選手にも下の選手にも、負けない」と、胸を張る。

 第4試合には、その雫が生まれた86年にデビュー、今年が選手生活30周年のメモリアルにあたるKAORUが出場。キャリア最長で、94年に長与が興したGAEA JAPAN(解散)に続き、絶対的な安心感を誇る。「私にとっては終の棲家になるんで、プロレスの楽しさを教えていきたい」。団体唯一のヒール。セミロングの髪の一部を紫に染色しての、再出発だ。

 第5試合に出場した渡辺智子は、長与が1度目の引退をした89年に全日本女子プロレス興業(解散)に入団。唯一の同期である伊藤薫を相手に、20分引き分けドローに終わった。「オレンジ(昔の水着)を雫にあげたので、これからはピンク」と心機一転。Marvelousの名を刻んだ、オール新調コスチュームで臨んだ。

 メインを張ったのは、彩羽匠。“絶対王者”里村明衣子(センダイガールズプロレスリング)に大敗を喫し、「里村さんが長与さんの一番弟子であるのを知ってて、それが悔しくて、越えたくて。また試合をしたら、絶対に勝つしかない」とリベンジを誓った。

 同団体は地方巡業を終えた秋以降、首都圏・東京を軸にしたイベントにスライド。東京タワーのふもとにあるスタジオ・東京スターライズタワーで、週1の定期イベントを催す予定だ。さらに、所属全選手を芸能プロダクションに所属させ、エンターテインメントとスポーツの両方でパフォーマンス能力を養う。3人目の新人・田中未来(みき/18歳)もお披露目され、大きなムーブメントを起こすべく旅立ったMarvelous。「シアターにいる気分で観てもらえれば」(長与)。

 ドラマティックな女子プロレス。第2話は、5月22日の沖縄大会で観られる。(伊藤雅奈子)

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