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県民感情が穏やかではない名古屋大・岐阜大統合案

 旧帝大の権威復活か――。3月22日、国立の名古屋大学と岐阜大学が法人の運営統合に向けた検討に入った。名大の構想は「アンブレラ方式」と呼ばれるもので、1つの国立大学法人が複数大学を運営するもの。株式会社でいえば「ホールディングス」に近い。
 「名大がこの構想を描くようになったきっかけは、3月20日に文部科学省から『指定国立大学』の指定を受けたことが背景にあります。昨年4月に施行された新たな制度で、指定は国が『世界で競争できる大学』として格付けしたことを意味する。世界的権威の研究者を高給で雇うことができるようになる他、自己収入を収益性の高い金融商品に投資したり、大学の土地を第三者に貸し付けたりすることなどができるようになります」(地元紙記者)

 現在「指定」を受けているのは名大の他、東北大、東大、京大、東工大の5つで、東工大以外は「旧帝大」と呼ばれた由緒ある大学だ。これは「ノーベル賞」とも無縁ではない。帝国大学令の第1条に記された目的を見れば、なるほどと頷ける。
 《帝国大学ハ国家ノ須要ニ応スル学術技芸ヲ教授シ及其蘊奥ヲ攷究スルヲ以テ目的トス》
 つまり、大日本帝国の要請に従って、研究および教育を行うのが帝国大学の使命ということだ。第2次世界大戦時には、東大には第二工学部が作られ、軍事技術の開発が行われた。
 「それだけに旧帝大は、研究を引っ張ってきた存在です。物理学賞や化学賞、生理学・医学賞のノーベル賞受賞者は日本に20人いますが、学部・博士課程のいずれも旧帝大でないのは、東京工大で学部と大学院を卒業した白川英樹教授と神戸大卒業後に大阪市立大の大学院を卒業した山中伸弥教授の2人だけですから」(教育専門紙記者)

 “岐阜は愛知の属国”などと揶揄されている。岐大が名大の傘下ともなれば、隣り合う県民の感情が今以上に二分してしまう?

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