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「なだ一」(なだいち、おでん屋)

 JR、東京メトロ・渋谷駅から徒歩250歩

 JR線渋谷駅のガードに平行した通称のんべい横丁で、兄妹が向かい合って商売している。おでん屋「なだ一」は、妹さんのお店。向かいのまぐろ処はお兄さんの店。おでん屋の品書きに魚貝系が満載されているわけは、内線電話による出前要請。逆も可だそうです(ご両人談)。
 小ネタを耳にしました。某コンビニのおでんは、「なだ一」の味をパクったのではないかというのです。大丈夫、もしそうだとしてもパクリきれてはおりません、と申し上げたい。
 こってり塗った辛子に思わずむせかえると、笑いながら製造方法を伝授してくれました。極めつけの熱湯で、一方向だけに溶く、のが秘訣だと。こころみに逆に回してみても同じように辛かったと話を下げた。和(なご)む。袖も肘も擦れ合う、わずか10席のおでん屋で表情の硬い男たちは、気のいい女将にあれこれ訊(たず)ねて秘伝を聞き出したのでありましょうか。

 帝国ホテルの村上信夫取締役料理長は修業時代、先輩シェフから味見を妨害されたといいます。その手口は、洗い物のフライパンに混ぜ物をしてから下げる。にこりともせず、そうおっしゃってました。
 玄人(くろうと)の味とはやはり、それほどのもので、味を盗む(勉強する)とは、それほど苛烈(かれつ)なことなのでありましょう。おでん屋で粛然とする私。お客が、しかも元気で明るい若い客たちが、いろんな話(沢田研二がヒット曲「TOKIO」で被っていた黄色い帽子は、ここから近い宮益坂の山田帽子店製とか)をしてくれる。和む。

予算4000円
東京都渋谷区渋谷1-25-10

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