澤村は1年目(11年)、11勝(11敗)をマークし、投球回も200イニングを超え、防御率2.03の好成績で新人王を獲得。12年も10勝(10敗)を挙げて、2年連続2ケタ勝利をマークし、年俸も6500万円まで上がった。
ところが、開幕直後に元日本テレビアナウンサーの森麻季と離婚した3年目(13年)は、不調にあえいで5勝(10敗)どまり。年俸は初のダウンで6000万円になった。
そして、今季はキャンプで肩を痛めたのが響き、わずか12試合の登板に終わり、5勝しか挙げられず、過去最低の成績。年俸は4800万円まで下がり、来季はリリーフへの降格が決まった。
一方、原辰徳監督の甥である菅野は、11年のドラフトで日本ハムに指名されるも、入団を拒否。一浪の末、12年のドラフトで巨人の指名を受け、念願の巨人入団を果たした。
ブランクをものともせず、1年目(13年)から、ローテーションの軸となり、13勝(6敗)をマークして、年俸は7000万円まで上がり、1年で澤村を追い抜いた。
そして、開幕投手を務めた今季は、先発の柱となる活躍ぶり。後半、故障に悩まされ、ポストシーズンで投げることもできなかったが、それでも12勝(5敗)を挙げた。防御率は2.33で最優秀防御率のタイトルを獲得。さらに、MVP、ベストナインも受賞した。
菅野の年俸は一気に1億1000万円まで跳ね上がった。純粋な新人選手としては、入団3年目での大台突破は高橋由伸外野手(巨人)らと並んで史上最速タイとなった。
ふと気が付けば、年俸は後輩の菅野が澤村の倍以上になり、両者の立場は完全に逆転した。菅野の後じんを拝することになった澤村は、来季リリーフという新たな役割で巻き返しを図ることになる。
※年俸は推定
(落合一郎)