なにやら中途半端に前向きな歌詞に、無機質でヘンな譜割り。サビでは地声でがなりまくるようにシャウトする歌姫。
少なくとも、これまでの活動に比して、という意味合いにおいては、魔窟へ入り込んだようなカオスぶりと言ってもいいかもしれない。
思わず、(ジャネットジャクソンにこういう曲あったっけ?)などとわけのわからないことを考えてしまったのは、筆者だけなのだろうか。
鍵として第一に思い浮かぶのは、ショービジネスの本場であるアメリカの存在。
CCM(コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック)というジャンルがアメリカにはあり、全米市場の10%の売り上げ(1000万枚近い実数)を誇るのだというが、それにちょっと近い雰囲気だ。
そこには、ある種のスピリチュアルメッセージすら感じられるのだ。
いっぽう、当の安室自身は出演した<ミュージックステーション>のオープニングトークで、「嫌だ、久しぶりなので恥ずかしい。早く歌って帰りたい」と言ってみんなを笑わせていたが、ひょっとしたら、曲が恥ずかしかったから、ということもあるのかもしれない、とも思わせた。長年やっていたら、嫌いな曲やイマイチ好きになれない曲などもあろう。要するに、単にそういうことなのか?
“冴え”のようなものをあえて封印したかのようなこのちょっと変わった曲は、レコチョク着うた(R)ウィークリーチャートと、USENリクエストチャートで第1位、と、発売前に早くも2冠を達成したのだという。
今後のセールスのほうも、気になるところである。