海外ニュースサイト『ABC30 News』が2月27日に報じた内容によると、アメリカ・カリフォルニア州の高級ピアノ店が強盗被害に遭ったという。しかし犯人が奪ったものは、高級ピアノではなく、ピアノとセットで置かれていた椅子に座っていた「ミッキーマウスのぬいぐるみ」だった。
同記事によると、店主が店に出勤したところ、窓ガラスが割られていることに気づき警察に通報したそうだ。警察の到着後、監視カメラを確認すると、そこには男が窓をたたき割って店に侵入し、ミッキーマウスのぬいぐるみだけを手にして退散していく様子が映っていたという。同記事内で公開された監視カメラの映像には、男がガラスを割った後、他の物には目もくれず、ミッキーマウスのぬいぐるみだけを手に取って去る様子が鮮明に映されていた。わずか数秒の犯行である。
盗まれたミッキーマウスのぬいぐるみの価格は25ドル(約2800円)程度だが、犯人が叩き割ったガラスの破片がピアノを傷つけ、この強盗による被害総額は6000ドル(約67万円)にも上るという。しかし店主はこのミッキーマウスのぬいぐるみが盗まれたことのほうがショックのようで、同記事の取材に対し「みんながこのミッキーを愛していたんだ。彼は店の一部だったんだよ。いなくなるまで彼の大切さに気がつかなかった」と話している。
このニュースは世界中に広がったが、ネット上では「店長、ぬいぐるみに対する愛情深すぎでしょ」「ぬいぐるみに対するショックより、6000ドルの損害の方を気にして!」といった店主に対するツッコミや、「ミッキーマウスは私たちが思っている以上に人を惹きつけるパワーがあったんだな…」という驚きの声も。
さらには、「きっと犯人は子供の頃からミッキーマウスのぬいぐるみが欲しくてたまらなかったんだろうね」「犯人は自分の子供にあげようと思っていたのかも。いずれにせよ、そのミッキーマウスを愛してあげて欲しい」などと犯人をおもんぱかる声まで見受けられた。
この“ミッキー強盗”に対しては多くのツッコミが寄せられているが、他にも海外では不思議な強盗事件が起きているようだ。
2018年10月には、ベルギー・シャルルロワで強盗が電子タバコ店に押し入ったのだが、店長に「多くのお客さんが店に訪れる、午後3時に強盗をするなんてスマートではない」と叱られて退散したという。また、2016年2月には、中国で男が女性の自宅に押し入り、数千円を奪った。しかし犯人は「お金がなくて…申し訳ない」と盗みに入ったことを女性に謝罪。さらに、「貧乏なので仕事を紹介してほしい」と女性に連絡先を渡したという。女性は犯人の礼儀正しさにためらいを持ったものの、数日後、警察に連絡。結局、この男は逮捕されたそうだ。
もちろん強盗は犯罪であり、許されないものである。しかし世界にはクスリと笑えてしまうコメディのような強盗事件もあるようだ。