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「モタモタしている」オーナー発言でも、オレ竜ナインは鼓舞しない?

 左手一本で当てに行くような弱々しいスイング…。15日には自ら途中交代を申し出たほどだから、中日・和田一浩外野手(38)の右脇腹の『痛み』は相当なものだろう。しかし、それ以上に頭が『痛い』のが、落合博満監督(56)のようである。
 
 「この球場は難しいね。でも、そんなこと言ってられない。年に1回しかないけど、慣れないといけない」(5月18日)
 珍しく(?)、試合後に落合監督が記者団の質問に応じた。何が難しいのか−−。千葉ロッテの本拠地・マリンスタジアムの『強風』を味方にできなかったのだ。この日のマリンスタジアムは、10メートルを越す強風に吹きつけられていた。中日守備陣にエラーは記録されていないが、千葉ロッテの先発・渡辺俊介(33)は“風を読んで”、変化球の曲がり具合を大きくし、中日打線を翻弄させた。
 「同日、落合監督は『通算500勝』が掛かっていたんです。本人は淡々としていましたが、地元ナゴヤのメディアがいつも以上に多かったので、分かっていたはずです」(取材陣の1人)

 落合監督を悩ませているもの…。通算500勝の節目で足踏みしたことではない。クリーンアップの一角・和田の体調が万全でないこともそうだが、同日の千葉ロッテ戦の直前、『左脇腹痛』で戦線を離脱した井端弘和内野手(35)の復帰が遅れるとの報告も入っている。思い起こせば、今季の中日は開幕からベストメンバーで試合をしたことがないのではないだろうか。そんな状況に、白井文吾オーナー(81)が喝を入れた。
 「ペナントレースの感想? 君ら(報道陣)が考えているのといっしょ。モタモタしている! まだ、どうこういう段階ではないけど、もう39試合が終わったんだから、態勢を考えてもらわないといけない」
 白井オーナーが憤りを隠せなかったのは、10日。現在、二軍本拠地となっているナゴヤ球場の竣工式に出席し、そう発したのである。報道陣は「この先、補強(トレードなど)もあり得るのか?」とも聞いたが、同オーナーは「ない!」と言い放っている。このオーナー発言は当然、落合監督にも伝わっているはずだ。
 「白井オーナーは、落合監督にとって、唯一、かつ最大の理解者です。でも、昨年のクライマックスシリーズ中、落合監督の自軍選手を見下したというか、他人事のような言動に対し、球団事務所に抗議電話が殺到しています。抗議電話の多さはオーナー自らが認めており、以来、オーナーと落合監督の蜜月関係は終わったとも囁かれています。昨季、前年比で観客動員数を落としたセ・リーグ球団は中日だけですし…」(プロ野球解説者)
 補強(投資)も即座に否定したのは、そんな経営事情もあってのことだろう。
 全面擁護ではないオーナー発言が続き、中日関係者は落合体制をこう見ている。
 「08年オフに契約更新しています(3年契約)。フロントが落合監督に託したのは世代交代を含むチーム作りであって、そうなると、ある程度の時間を要するのはやむを得ません。05年の監督就任以来、Aクラスから落ちたことは1度もないので、『落合嫌い』の中日OBも、何も言い返せない」(チームOBの1人)
 白井オーナーの真意は分からない。しかし、こうした批判めいた発言は過去にはなく、落合体制で「新しい戦力が出ていない」事実がさまざまな憶測を呼んでいるようだ。
 「落合監督が育てた若手選手はいますか? ベンチで燻っていた中堅クラスの実力を見抜いて登用した眼力は認めますが、若手野手を育てたという話はありません。世代交代を託したのに新しい戦力はほとんど出ていません。たまに若手が出てきたと思えば、大卒、社会人ばかり。高校生が育っていない点は気になります」(同)
 岩崎達郎内野手(25)がスタメンで入る試合も多くなった。しかし、井端が復帰してきた後は「ベンチスタートに戻る」との見方は支配的であり、若手野手がなかなか育たない現状に、「オーナーが不満を持っている」と解釈する中日OBもいないわけではない。
 「故障者続出でも優勝圏内に止まっているのはさすがです。落合監督は『クライマックスシリーズに進出すればどうにかなる』という選手たちの覇気のなさを嘆いています。インパクトの強いゲームがないのはそのためでしょう」(前出・取材陣の1人)
 勝っても、巨人追撃の起爆剤とならない現状…。落合監督にとって、頭の痛い話である。

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