岡田ジャパンに意外な落とし穴が待っていた。
この日、2010年南アフリカW杯アジア最終予選のホーム初戦に臨んだ日本代表。FIFAランキングで40位近くも下の相手に苦戦を強いられた。
序盤から右サイドを中心に攻め立てるも、なかなかパスがつながらない。すると27分、DFのクリアボールをカットされ、右サイドからのカウンターで、ウズベクのエース、マクシム・シャツキフに先制点を許した。
それでも、40分に大久保嘉人の折り返しを玉田圭司が合わせ同点に追いついた。その後も、DFの田中マルクス闘莉王のオーバーラップや北京世代の岡崎慎司や興梠慎三を投入し、流れを引き寄せたものの、ゴールをこじ開けることができない。そのまま、時間だけが過ぎ、1-1のドローに終わった。
試合後、岡田監督は「もう1点が取れなかったが、長い予選ではこういうこともあります。次に向って頑張るしかない。(ホームで引き分けたが)まだ、問題はないと思います」と強がるしかなかった。
自滅だった。得意のパスワークを生かすために、芝生を限界まで短く刈り込んだことが選手を狂わせた。序盤からパスミスを連発し、一瞬のスキをつかれての失点。
MF長谷部誠は「個人的にミスも多くて、全然満足できるプレーじゃなかった」とポツリ。
さらに、日本サッカー協会の犬飼基昭会長も「ピッチを相当短くしたんですよ。でも自分達が(パスの)速さをつかんでいなかった。ケアレスミスだ」と指摘した。失敗はそれだけでない。2連敗中だったウズベク代表を立ち直させるきっかけを与えてしまった。
ミルジャラル・カシモフ監督は「勝ち点を獲得できたことで選手たちも元気づけられた。今後もワールドカップに向けて頑張りたい」と満足げ。そればかりか「ジーコと(向こうで)話したが、彼の情報ひとつひとつが役に立った」と意味深なコメントを残した。
ウズベクに丸裸にされていた感すらある日本代表。次戦はアウエーでのカタール戦(現地時間11月19日、ドーハ)に挑む。ここで再び“ドーハの悲劇”に見舞われなければいいが…。