この日の蓮舫氏らの対戦相手は、24日に自衛隊の広報活動で厳しく攻め立てた防衛省。遺恨バトルPART2は、自衛官約3500人の増員要求について「増員ということなら説得力ある説明を」という蓮舫氏の先制攻撃から始まった。
防衛省側は「説得力あると言われると自信がないが…」と早くもしどろもどろ。会場から失笑が漏れた。自衛隊員の給食など一部業務の民間委託でコスト削減に取り組んでいることを訴えたが、逆に仕分け人らに数字上効果があがっていないことを指摘される始末。公務員全体が人員削減される中、「例外は認められない」として「予算計上見送り」と判定された。
しかし、防衛省には予算を死守するための“奇襲作戦”があった。自衛官の備品について解説中、「元気が出なくなる資料ですが…」と思わせぶりにマル秘資料を提示。なんと、内股部が摩擦によってすり切れたシースルー状態の隊員用ズボンなど4点の写真だった。
女性議員に“恥ずかしい写真”を公開するというお涙頂戴作戦は蓮舫氏ら仕分け人には通用しなかった。「素材の機密性のある戦闘服などを除けば、国内縫製の条件にする必要はないのではないか。安価な輸入品も検討してみては」と反撃を食らう。蓮舫氏の厳しい表情も変わらなかった。備品と被服は「予算削減」のジャッジ。純国産で通してきた自衛隊戦闘服はメイド・イン・チャイナなどアジア製となる可能性が高まった。銃器・弾薬類も「見直し」の判定を受けた。
全体的には民主党の先輩議員である枝野幸男衆院議員のサポート役にまわる場面が多かった蓮舫氏。傍聴した20代の大学生は「テレビみたいに蓮舫さんが徹底的にやってくれると思ったけど、実際に来てみたら雰囲気が違った」と話す。
また「軍事は事業仕分けにそぐわない」との声もあった。議論の途中で傍聴席を立った60代の元陸上自衛隊隊官は「蓮舫さんも含めて素人ばっかりだ。会社経営とはちはうんだから、1円でも安ければいいってわけじゃないんだ」と憤慨していた。
いよいよきょう27日は事業仕分け最終日。財務省所管の国立印刷局、造幣局などの事業が取り上げられる。“必殺仕分け人”の大仕事に注目だ。