昨シーズンは前期が最下位(首位と10ゲーム差)、後期が3位(同12ゲーム差)とどちらも優勝とはほど遠い成績に終わっていた栃木。ただ、迎えた今シーズンは前期こそ3位(6.5ゲーム差)だったものの、後期は一転して優勝争いを展開。今月5日の試合に勝利し、創設3年目での初優勝を達成した。
これを伝えた一部メディアの報道によると、この優勝について西岡は「BCリーグのレベルがどうであれ、優勝は喜ばしい」といった旨の感想を述べたとのこと。また、打席に入る際には「相手はNPBの選手じゃないから打たないといけない」と、自分に言い聞かせていたという。
歴史的な勝利の後に飛び出たこの発言を受け、ネット上のファンからは「素直に喜べばいいのに性格悪すぎるだろ」、「レベルの部分はわざわざ言う必要なかった」、「BCリーグで戦う他の選手たちを見下しているのか」、「本当だとしても当事者がそれを言ったらダメ」といった批判が数多く寄せられている。
また、中には「NPBに復帰できなかった選手が言っていいことじゃない」、「今の西岡はそんなこと言える立場なのか?」、「自分の立ち位置をもう一度自覚し直せ」といったコメントも。現在の西岡に、今回のような発言をする資格がないと考えているファンも多いようだ。
今回やり玉に挙げられている西岡は、今シーズンBCリーグに参戦するまでロッテ(2003〜2010年)、米メジャー・ツインズ(2011〜2012年)、阪神(2013〜2018年)と国内外3球団でプレーし、首位打者(2010年)、最多安打(2010年)、盗塁王(2005・2006年)といったタイトルの獲得経験も持つ選手。阪神に所属した昨シーズンは「.125・0本・1打点・5安打」と全く振るわなかったが、実績が実績だけにレベルの差を感じること自体は不思議ではないようにも思われる。
ただ、BCリーグ公式サイト上に記載の個人成績ランキングを見ると、今シーズンの「.333・7本・39打点・61安打」という成績は、それぞれの部門でいずれもトップ10にも入っていない。ここまでのシーズンで、そこまで格の違いを見せつけているわけではないこともまた確かだ。
今回の発言の真意は現時点では不明だが、所属チームの歓喜に水を差すような“失言”になってしまったのかもしれない。
文 / 柴田雅人