3連敗中の成績を見ると、投手陣が喫した失点数は「4点・2点・4点」とまずまずな一方で、野手陣が挙げた得点は「2点・0点・3点」。投手陣の踏ん張りに、打線が応えられていないことが不調の要因であることが浮き彫りとなっている。
先月24日DeNA戦に勝利し点灯させた優勝マジックも、2連敗目を喫した今月1日の中日戦をもって消滅。思わぬ不調に陥るチームに対し、ネット上のファンからは「首位のチームとは思えない戦いぶりだな」「Bクラスのチームに取りこぼしたらダメでしょ」「投手陣を見殺しにしてる打線は気合い入れ直せ」といった声が多数寄せられている。
先に述べたように、3連敗中のチームは1試合平均1.67点しか挙げられていない。この点を考慮すると、復調のカギは打線が握っていると考えるのが自然だろう。
中でも、特に奮起が求められるのは連敗中の打率が1割以下で、本塁打・打点も0に終わった2番・坂本勇人(.083/12打数1安打)、3番・丸佳浩(.091/11打数1安打)、4番・岡本和真(.100/10打数1安打)の3選手。その前を打つ1番・亀井義行(.333/12打数4安打)が役割を果たしているだけに、この点が改善すれば湿った打線も再び機能し始めるはずだ。
“サカマルオカ”の復調が急がれる理由は他にもある。それは、複数のメディアが解禁間近と伝える先発陣の「特攻ローテ」だ。宮本和知投手総合コーチが報道陣に語ったところによると、今後の試合ではこれまでおおむね中6日だった先発の登板間隔を中5日、あるいは中4日に短縮し、球数制限を設けた上でフル稼働させるという。
先発を酷使するこの作戦は、打線がどれだけ投手を援護できるかでその成否が決まる。ただ、ここまで3人合わせて「83本塁打」「237打点」を記録する“サカマルオカ”が沈黙を続けたままだと、せっかくの勝負手も不発に終わるリスクの方が高くなる。
そのため、原辰徳監督をはじめとした首脳陣にはこの3人の復調を促すと同時に、ダメなときは潔く諦める姿勢も求められているといえる。場合によっては彼らを下位降格、もしくはスタメン外とし、代わりにゲレーロ、陽岱鋼、若林晃弘といった面々を上位で起用する“荒療治”に打って出るのも一手となるだろう。
3日の中日戦をもって、今シーズンはとうとう20試合を切った(残り19試合)。5年ぶりのリーグ優勝へ向け、チームは正念場を迎えているといえそうだ。
文 / 柴田雅人