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スクープ! 富岡八幡宮殺傷事件 実行犯から本誌にあった「犯行予告」90分 全真相(1)

 東京・江東区の『富岡八幡宮』で12月7日に起きた「女宮司惨殺事件」は、日が経つにつれ殺害された宮司の富岡長子さん(58)と事件を起こして自殺した元宮司の富岡茂永(56)、真里子(49)夫婦の確執が浮き彫りとなり始めている。
 両容疑者が長子さんの乗った車を駐車場で待ち伏せしていたことや、事件後にメディアに積年の確執ぶりを伝える遺書が届けられたことで、今では計画的犯行だったことが判明しているほどだ。

 だが、彼らはいったいいつからこの凶行を企てていたのか。その疑問に、小誌は少なからず答えられると考えている。というのも、事件のずいぶん前に記者の元には、茂永容疑者本人から犯行を予告する1本の電話がかかっていたのである。
 その際に同容疑者が漏らした話の全容をここに記者の独白としてお伝えしようと思う。記した話にはあまりに一方的な言い分が含まれていたり、記者が当時のメモを取り違えている可能性も少なくないだろう。
 また容疑者と被害者が死亡したため、今では事実かどうかも判別しにくい部分もある。ただ、ここに記した話は、骨肉の事件を引き起こした男が犯行前に語った「まごう事なき真実」に違いない。ぜひともそれをご理解の上、お読み願いたい。

 茂永容疑者から私の元に電話が入ったのは、毎年夏に行われる深川八幡祭りの終わった8月下旬のことでした。もともと同容疑者とは、3年前に小誌が報じた記事の取材中に知り合い、昨年以来、連絡が途絶えていたため慌てて電話を取ったのです。
 茂永容疑者は短いあいさつを終えると、突然、こう言い出しました。「山崎さん、悪いけどチャカの入手ルート(拳銃のこと)を教えてくれないか?」。たぶん、私が暴力団記事を呼び物とする『週刊実話』の記者だったことから電話してきたのでしょうが、もちろん入手先など知るはずがない。そのため教えられないことを告げ、「なぜ必要なのか」と1時間半にわたって問い詰めることとなったのです。
 茂永容疑者は度重なる私の問いかけにしばらく黙り込んでいましたが、その後、意を決したようにこう言い放ちました。「長子をぶち殺したいんですよ」「ヤツを殺して私も死のうと思って」。その言葉を聞いて押し黙ったのは、今度は私の方でした――。

 〈茂永容疑者は拳銃を手に入れたい理由を話してしまうと、間を置かず長子さんを殺害しようと考えた動機を語り出した。その最大の理由は、当時、『富岡八幡宮』が画策していた神社本庁からの離脱問題だった(9月28日に正式に離脱)。〉

 茂永容疑者は何度も「神社本庁から離脱してしまったら、今度こそ長子が宮司に就任して八幡宮があの女の独裁で没落する」「自分や息子が再び宮司となって、富岡を由緒正しき格式の備わった神社に戻す夢も潰えてしまう」と語りました。
 事件後に各メディアが報じたとおり、長子さんは7年前に同神社のトップに就いたものの、役職は宮司代務者。宮司に任命するよう神社本庁に何度も打診したが、それが認められず離脱の動きを見せていた。一方、茂永容疑者は2代前の宮司だが、女性遍歴と放蕩ぶりを伝える怪文書がバラまかれたことを理由に、辞任に追い込まれた経緯がある。
 彼は常々「自分が心を入れ替えて宮司に返り咲き、運営体制を生まれ変わらせたい」「格式ある神社の未来を息子に託したい」と漏らしていたが、神社本庁から離脱すれば同団体の意向も関係なくなり、長子さんが宮司に就いてしまう。それに危機感を抱いたことは明らかで、話の中盤には「もう富岡を正す芽はない」「だから私は捨て石でいいんですよ」と、力なく笑ったほどでした。

 〈ちなみに被害者の長子さんの独裁ぶりについては、3年前の小誌記事『天皇陛下を冒涜した 富岡八幡宮・エセ女宮司』('15年1月1日号)で詳報している。
 その内容は、'12年に天皇皇后両陛下が深川八幡祭りをご訪問された際に建立した記念碑に「宮司」と偽りの肩書きを刻んだり、神社本庁への申請・許可なく境内地に“お賽銭御殿”と呼ばれる1億2000万円もの豪邸を建てたり。こうした暴挙を茂永容疑者は以前から苦々しく思っていたが、彼が凶行を思いついたのは、これを正す手立てが永遠に失われてしまうからだけではなかったのだ。〉

 茂永容疑者は'01年に宮司を辞任させられたが、以後月額100万円近い手当の支給を条件に辞任を受け入れたそうです。ところが宮司を降りるとその条件は握りつぶされ、数分の1に減らされてしまったという。
 新聞やテレビが報じたとおり、そうした恨みが積もって'06年の年賀状に〈必ず今年中に決着をつけてやる。覚悟しておけ〉などと書いた年賀状を送付。長子さんの訴えで深川警察署に逮捕されたが、この骨肉の争いが激化したのか「その手当が一方的に打ち切られた」「もはや私ら夫婦は生きていく金もないんです」と漏らしていました。

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