前回も紹介しましたが、高所とは標高の高いところを意味しましす。
私自身も、国内、国外の高所を経験してきました。一番最初に体験したのは、大学1年生の頃に長野県の菅平です。菅平高原は、標高2207mの根子岳の麓に緩やかに広がる草原大地です。陸上以外にもラグビーをはじめ、サッカー、テニスなどのスポーツのメッカとして知られています。夏の平均気温19.6度で、東京の5月と同じ気温で雨も少なく、避暑地として観光に訪れる人も多いです。
根子岳にも走って登ったことがありますが、日常のトレーニングは標高1600m前後の場所が多いです。やはり感じるのは、息があがり速く走れない! 貧血気味の選手は平地よりも更に辛そうにしているのを覚えています。
大学4年生の頃は、群馬の万座温泉で合宿しました。峠越えのポイントは標高2000mあり、インターバルトレーニングなどを中心に行いました。しかし、大学の選手もコーチ陣も経験が浅く、30人いる学生一人ひとりの体調を把握するのは難しいのが現状でした。
私は、その合宿を2週間後に迫った、大学最後のトラックレース「全日本学生選手権」通称「全日本インカレ」に合わせ調整していました。
合宿には、1学年後輩で学生のオリンピック「ユニバシアード」で10000m5位の小川博之君もいました。合宿も順調に終わり東京に戻りました。共に好調だった私と小川君は、東京でも調整しています。大会は4日後です。
寮のお風呂で一緒になり、私は現在の不安材料を話しました。
「東京に戻ってから、カラダが浮いた感覚でスピードが出ないんだよ」
小川君からも
「自分もです。疲れが抜けていないんですかね?」
そんな会話をして次の日に治療院に行きました。
大会では、私はワースト記録で予選敗退、小川君も10000mで周回遅れになりタイムなしという結果でした。原因は、うまく疲労が抜けなかったことと、筋力の低下が原因ではないかと思っています。
酸素が少ない中での練習は、カラダに疲労が溜まりやすいのと、平地よりは速く走れないので、筋力に対する負担が少なく一時的に弱くなってしまったのではないかと思います。高所で良い練習が出来たので、呼吸は楽なのですがカラダがうまく動かずスピードに乗れない感覚でした。
最後の大きなトラックレースでしたからショックは大きかったですね。
このように、失敗するリスクもありますが、何度も経験を積みやっていくと大きな効果をもたらす事は実証されています。
次回は海外の高所トレーニング体験を紹介します。
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【Air Run TOKYO】監修・ランニングアカデミー
第36回は、『高所トレーニング3』
写真:エアラン東京練習風景です。
※左は、新しくコーチに加わった元日本代表の湯田友美。